「エックス」
山下敦司
澄んだコンソメが宝石のようなゼリー寄せ
口伝
卵と生ハムのコンソメゼリー寄せ—トリュフの香り—
この料理は100年以上前のオードブルになりますが、最近あまり作られなくなってしまったものを本日作ってみたいと思います。
〈コンソメゼリーを作ります〉
まず「コンソメ」を沸かして、そこに「塩」を入れて味を整えます。
塩を入れたら「ゼラチン」を入れます。
ゼラチンを入れるときは、必ず火を止めてから、それ以上沸かさないようにしてください。
ゼラチン入りのコンソメをコーヒーフィルターで濾します。
濾すことにより、クリーンで綺麗なコンソメゼリーを作ることができます。
コンソメを15gほど型に流し込み冷蔵庫で固めます。
固まったコンソメの上に「薄くスライスしたトリュフ」を乗せます。
トリュフは手で扱っても良いのですが、ピンセットなどを使いますと、真ん中に綺麗に乗せることができます。
トリュフを乗せましたら、固定するためにコンソメを少しだけ流して再び冷蔵庫で固めます。
〈ポーチドエッグを作る〉
沸いたお湯の中に、「お酢と塩」を入れかき混ぜます。
次に「卵」を落としますが、割った卵をそのままお湯に入れてしまいますと、形が崩れてしまいますので、必ず容器などに割り入れてからお湯に落とすようにしてください。
先ほど「お酢」を入れましたのは、卵白が飛び散って形が崩れないように、卵がまとまりやすくなるようにするためです。
グラグラとお湯が沸いていると、やはり卵がバラバラになってしまいますので、軽く沸いてる状態にしてください。
お湯をかき混ぜて渦巻きを作り、その中に容器の卵をゆっくり落としますと、卵全体が勝手に包み込まれるようにまとまります。
3分ほど茹でましたら氷水に取り冷やします。
卵/ポーチドエッグが冷えましたら、形を整えるように余分な部分をキッチンバサミなどでカットしてから、水気を切ります。
幅を合わせた生ハムでポーチドエッグを巻いて包み込みます。
生ハムで包んだポーチドエッグをコンソメゼリーの入った型に入れます。
さらにコンソメゼリーを型いっぱいに流し込み冷蔵庫で冷やします。
〈型から抜く〉
型に入れたコンソメゼリーが冷えましたら、鍋のお湯の中に軽く浸けて型から抜きます。
お湯に入れますとコンソメが溶けて型から抜けやすくなります。
この時、鍋のお湯の高さは、型の高さと同じ高さで合わせてください。
型を鍋底につけても湯が被らない高さに調節するということです。
お湯の温度は沸騰していなくても大丈夫です。
お湯に浸ける前に、型の周りに沿って少し切れ込みを入れますが、包丁の先端部分を入れるくらいで結構です。
さっとお湯で型を温めてから取り出してお皿に盛り付けます。
透き通った宝石のようなゼリー寄せ、100年以上前のおもてなしの一品〈卵と生ハムのコンソメゼリー寄せ トリュフの香り〉完成です。
材料〈二人前〉
材料 |
コンソメ 200ml/塩 適量/板ゼラチン 5g/トリュフ 適量/卵 2個/生ハム 1枚/マイクロハーブ 適量 |
作り方
① 鍋にコンソメを入れて沸かし、塩で味を調える。氷水でふやかしておいた板ゼラチンの水気をきって加え、火を止める。ゼラチンが溶けたらコーヒーフィルターなどでこす。
② 型に①を大さじ1ほど流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
③ ②が固まったら薄切りにしたトリュフをのせる。①を少し冷ましたものを少々入れてトリュフを固定させる。
④ ポーチドエッグを作る。卵は器に割り入れておく。鍋に湯を沸かし酢、塩(各分量外・適量)を入れる。ふつふつ沸いてる程度の火加減にし、菜箸などでかき混ぜて渦を作る。
⑤ ④の鍋に卵をそっと落とし入れる。3分ほどゆでたら氷水にとり、余分な白身はカットして水気をきる。
⑥ 生ハムをポーチドエッグの幅に切り、ポーチドエッグに巻きつける。
⑦ ③の型に⑥を入れ、残りのコンソメを型のふちまで流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
⑧ ⑦が固まったら、ペティーナイフなどで型の内側に浅く切り込みを入れておく。鍋に型の高さに合わせて湯を張る。型の外側をさっと温め、型からゼリーを抜く。
⑧ 器にゼリーを盛り、マイクロハーブを添える。
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