野﨑洋光料理長
大根のおろし汁を利用した、効果的なたけのこのアク抜き方法
新筍の下処理 アク抜きと下ゆで
「筍の土佐煮」を作りますが、ご飯のおかずにするには、力強い味が必要ですから濃いめの煮方をします。
新筍のアクの抜き方ですが、アクは「米ぬか」で茹でただけでは抜けません。
アクを抜く方法としては、「大根のおろし汁」を使います。
大根には皮と中身の間にある筋と皮の間に多くの酵素が含まれています。
普段、大根の皮を剥いた時に捨ててしまう皮の固い部分に、アクを抜く性質があるということを覚えておいてください。
もし、この皮の部分がたくさん出るようでしたら、これをすりおろし、中身は別の料理にお使いください。
ボウルに「大根をおろした汁」と同量の「水」を入れて、10グラムほどの「塩」を加えて混ぜます。
筍の処理
「筍」の穂先を切って断面に縦に斜めに包丁を入れ、そこから皮をむきます。
皮をむいた筍の穂先の固い部分を、まっすぐに切り落とします。
根元の硬い部分の皮をむきます。
穂先の部分の皮が柔かければそのままでも、見栄えを良くするために落としても、どちらでも結構です。
適当な大きさに切り分けます。
根元の硬い部分もおろし金で摩り下ろすと料理に使うことができます。
皮も半分もしくは4分の1に切ってから開いて、内側で包丁が入る部分まで入れて、柔らかい絹皮の部分を刻めば、和え物や筍ご飯に使うことができますので、「筍」を無駄なく食べることができます。
絹皮の部分はアクが強いので長めにアク抜きをします。
アクを抜く
切り分けた「筍」をボウルの「大根のおろし汁」の中に入れて小さなものは約30分、大きなものは2時間ほど浸けておきますとアクが抜けます。
美味しくアクを抜くには、やはり「米ぬか」も必要です。
鍋に30グラムの「米ぬか」と1リットルの「水」を入れて、40度くらいの火で軽く煮出してザルで濾します。
ボウルの「大根のおろし汁につけた筍」の水気を切り、鍋に入れて2分から3分茹でてください。
茹でがりましたら、料理に使う分だけの「筍」を取り出し水洗いします。
これで筍の下処理、アク抜きと下ゆでの完了です。