高タンパク、低カロリーなヘルシーフード
小満の末候_「麦秋至/ばくしゅういたる」この時候に「烏賊/いか」をいただきます。
麦秋至_6月1日から6月5日
麦秋至_麦の穂がたわわに実り収穫の時期を迎えます。この場合、麦秋の〝秋〟は実りの季節という意味合いです。
昔から烏賊は、内臓を取り除いて干した〝するめ〟に加工されました。
するめは、縁起物として結納の贈り物にされるなどしてきました。
これに似たものとして、祝儀袋の右上に貼られている〝熨斗/のし〟があります。
これは「熨斗鮑/あわび」の略で、〝熨斗〟とは炭火の熱で衣服などを伸ばす昔のアイロン〝火熨斗〟のことです。
古より鮑は高貴な品として、神に供物として捧げられていましたが、その後、貴族や武家の間での贈答品としても用いられました。
やがて、生の鮑から乾燥させた〝熨斗鮑〟へと変化し、さらに短冊状へと簡素化して、現在の祝儀袋の右上に紙製のものや印刷されたものへとなりました。
今でも生の鮑は高価な食品です。
コリコリとした食感で磯の香のする新鮮な鮑で、いただく日本酒は格別です。
烏賊_肝のビタミンAで目を健康に
軟体動物の頭足類で腕が10本以上あり、2本が発達。薄く柔らかい甲(貝殻)を持つ筒烏賊類と、厚く固い甲を持つ甲烏賊類に大別される。日本近海には沿岸から沖合に120種以上が棲息、筒烏賊類には「するめ烏賊」「槍烏賊/ヤリイカ」「剣先烏賊」「あおり烏賊」など、甲烏賊類には「紋甲烏賊」「甲烏賊」などがいる。
【選び方】目が澄んで、触ると体色が変わるようなものが新鮮。体全体に弾力のあるものを選ぶ。
【旬の時期】一年中出回り、夏はするめ烏賊、冬は槍烏賊や甲烏賊、春は蛍烏賊、あおり烏賊など。
【漁獲地】烏賊全体では北海道、青森県、長崎県など。
【栄養】高タンパク、低脂肪。タウリンが豊富。肝にはビタミンAが多く含まれる。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、ジョン・キョンファ先生「オジンオフェ」、野﨑洋光料理長「イカの緑酢和え」、田村涼介シェフ「春の香味野菜とやりいかのさっと煮」、濱崎泰輔シェフ「魚介のサラダ」、西沢健三シェフ「イカ墨のパスタ」などをご参考ください。