野﨑洋光
大根と玉ねぎのドレッシングはあさりを引き立たせる名脇役
口伝
あさりの酒蒸しサラダ
あさりの酒蒸しと申しましても、野菜と一緒にフライパンで蒸らしていきます。
そうすることによって野菜に火が通り過ぎずに酵素の栄養素を生かしながら、ほろ苦さと爽やかさをいただきます。
生の大根と玉ねぎのドレッシングで、あさりがより一層引き立ちますので、お楽しみください。
〈あさりの砂抜き〉
あさりはヒタヒタに浸かるくらいの塩水(1.5%の濃度/海水の半分程度の濃度)に、あさり同士が重ならないように置いてください。
暗い状態にするために、アルミ箔を被せます。
暗くて静かで温度が20度くらいの環境が、あさりが一番砂を吐き出す状態となります。
あさりにとって一番心地よい状況にしてあげると砂をよく吐くと覚えておいてください。
砂抜きをしたあさりは、殻同士をもみ洗いして、殻の汚れなどを落とします。
塩水につけたままにしておきますと、あさりに塩分が残って塩辛くなってしまいますので、洗い終わったら水を換えて1~3分間浸し、塩水を吐かせます。
〈ドレッシングを作る〉
生の「だいこん」「玉ねぎ」をおろします。
ここに〝ドレッシングの合わせ〟(煮切った酢 50mlと薄口醤油30ml)を混ぜ合わせれば爽やかで食べやすいドレッシングの出来上がりです。
お好みで胡椒をちょっと入れておくと後で刺激となってあさりが美味しくいただけます。
〈具の調理〉
「ふき」は茹でる前にアク取りとして、塩をまぶして強目にまな板などに擦り付ける〝板ずり〟をしてください。
板ずりが終わりましたら、鍋に入る大きさに切って沸騰したお湯で2分間ほど茹でます。
茹で上がったら冷水にとってください。冷水の中で両側の皮をむきますと、手が黒くならずに簡単に向くことができます。
アクも柔らかくなり、ふきから春の息吹を感じることができます。
皮をむいた「ふき」を5cmほどの長さに切ってください。
「ふき」は、「三つ葉」「山椒」「芹」などと共に日本古来からある数少ない日本原産の食材のひとつです。
「うど」は5cmの長さに切って皮をむき、縦に4等分したら、2~3%の濃度の穀物酢の水につけてアクを抜いてから水洗いして水気を切ります。
〈蒸す〉
フライパンに水洗いした「あさり」を入れ、「5cm角に切ったキャベツ」「ふき」「うど」を乗せます。
日本酒をかけてフライパンにフタをして、中火弱くらいで蒸らし焼きをします。
サラダですので野菜は生でも構わないです「うど」も「ふき」も生で食べられるものですから、また「キャベツ」も「菜の花」などと同じアブラナ科ですので、低温調理をしますと旨味が増しますし栄養価も高くなります。
あさりが口を開きましたら出来上がりです。
〈盛り付け〉
あさりの酒蒸しを器に盛りますが、「大根おろしと玉ねぎのドレッシング」はかけずに別の器で、サラダを取り分けながらつけて食べるのも一考です。
旬の「あさり」「ふき」「うど」春の息吹を感じる野菜、「あさり」の旨味と苦味との相性の良さ「大根と玉ねぎの香味ドレッシング」で食べる〈あさりの酒蒸しサラダ〉をどうぞ。
材料〈4人前〉
材料 |
あさり(砂抜きしたもの) 400g/キャベツ 4枚/ふき 2本/うど 15㎝/酒 1/2カップ |
〈ドレッシング〉材料 |
大根おろし 50g/おろし玉ねぎ 50g/酢 50ml/薄口しょうゆ 大さじ2/粗びき黒こしょう(好みで) 少々 |
作り方
①ドレッシングを作る。鍋に酢を入れてひと煮立ちさせて冷まし、薄口しょうゆと合わせ、大根おろしと玉ねぎおろしを加え、好みでこしょうを加える。
②あさりは水の中でこすり洗いして汚れを落とす。水を替えて3分ほど浸けてから水気をきる。
③キャベツは軸を取り除き、5㎝位の角に切る。ふきは鍋に入る大きさに切り、多めの塩(分量外)をまぶして板ずりし、熱湯で2分ゆでて冷水に取り、皮をむく。水気をきり、5㎝長さに切る。うどは5㎝長さに切り、皮を厚めにむいて縦4つに切り、酢水(分量外)で洗い、水気をきる。
④フライパンに酒とあさり、③を入れる。蓋をして中火にかけ、蒸し煮にする。
⑤あさりの口が開いたら、蒸し汁ごと器に盛り、①のドレッシングをかける。
料理塾