畑のりんご
大寒の末候_「鶏始乳す /にわとりはじめてにゅうす」この時候に「馬鈴薯/じゃがいも」をいただきます。
鶏始乳す_1月30日から2月3日
鶏始乳す (にわとりはじめてにゅうす)_鶏が卵を産み始める頃。
この時候に取り上げました「馬鈴薯/じゃがいも」には「メイクイン」と「男爵」がありますが、「男爵」の名前の由来は、明治末に川田龍吉男爵がアメリカから導入して栽培が始められたためこの名となったそうです。
川田龍吉という人は、現在の高知県高知市旭区の出身で、医者を目指し慶應義塾大学医学部に進むも断念し、イギリスはグラスゴーに留学、海運業・港湾事業について学び帰国して日本郵船などを経て函館に渡ります。
また、彼が愛用していた蒸気自動車のロコモビルは「国内最古の自家用乗用自動車」とされています。
留学中のグラスゴーではジェニーという現地のイギリス女性と恋に落ち、帰国して結婚の許しを父に請いますが許されず、再びイギリスに渡ることはなかったそうです。
このロマンスが「男爵芋」の誕生につながったという噺が、川田男爵の新進の志をコンセンプトとして開設された函館のホテル『男爵倶楽部』のHPに掲載されていました。
男爵いもの誕生
北海道函館市に渡った川田龍吉男爵は、風景がイギリスに似ておりジェニーのことを思い出しました。ジェニーと一緒に食べたじゃがいもをこの地で育て食べてみたいと思い立ち、イギリスやアメリカから様々な種いもを取り寄せて試験栽培を行ないました。
その中で「アイリッシュコブラー」という品種が北海道の地に一番適しており、普及させることに努めました。後に、このじゃがいもは「男爵様が育てたいも」から農家が「男爵いも」と名付けられます。__ホテル『男爵倶楽部』HPより
じゃがいも_ビタミンC、カリウム豊富な畑のりんご
ナス科。原産地は南アメリカのアンデス産地、16世紀末にヨーローッパに渡り、日本へは江戸時代の長崎に伝来し、明治初期に北海道で栽培が始まった。二大品種は「メイクイン」と「男爵」がある。
【選び方】芽の周りにはソラニンという有毒物質を含むので、芽が出ていたらえぐり取る。表面に張りがありシワのないもの。皮が青緑色に変色していないもの。
【旬の時期】俊は8月から9月だが、一年中手に入る。5月6月には水分の多い新じがいもが出回る。
【産地】圧倒的な量の産地は北海道。長崎県、鹿児島県、茨城県と続く。
【保存方法】紙袋や段ボールになど入れ涼しくて日の当たらない場所へ。りんごと一緒に入れると傷みにくく長期保存がきく。
【栄養】主成分は炭水化物。食物繊維やカリウム、ビタミンC、ビタミンB2を多く含むため「畑のりんご」と呼ばれる。皮に含まれるポリフェノールの一種、クロロケン酸にガンの予防効果がある。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、野﨑洋光料理長「肉じゃが」山下敦司シェフ「冷製パルマンティエ」、濱崎太輔シェフ「チャンボッタ」、秋元さくらシェフ「キッシュ・ロレーヌ」、鈴木珠美シェフ「スペアリブとジャガイモのスープ」などをご参考ください。