「キッチン」
鈴木珠美
ヌクマムのうま味が効いた常備菜
口伝
大根と人参のなます
このお料理はベトナムの人々の普段の食卓の箸休めで食べられたり、バケットサンド〝バインミー〟のピクルス代わりにこの「なます」を入れたり、あとはお肉料理に合わせてサッパリ食べたり、葉っぱやライスペーパーと茹でた豚肉やお魚と一緒に巻いて食べることが多いです。
甘酢に魚醤のヌクマムが入っていることがポイントになります。
大根と人参を切る
「大根」を、よく東南アジアで使われますナミナミ・ピーラーで皮を剥きます。
このピーラーは、大根や人参を千切りにしたり、青いパパイヤのサラダを作るときにパパイヤを千切りにするときに使います。
大根の周りをピーラーでカットしてから四つに切り、分けた後の断面にもピーラーを入れて表面をナミナミにします。
これを包丁で切りますと、とてもかわいい形に切ることができます。
ナミナミピーラーがない場合は、普通にイチョウ切りや千切りにしていただいて結構です。
「人参」も大根同様に、ナミナミ・ピーラーで皮を剥いてから、薄く輪切りにしますと、こちらはお花のようにかわいい形に切ることができます。
切った「大根」と「人参」に「塩」をまぶして、全体に塩が馴染むように手で混ぜ合わせ、約20分置いて水分を出します。
甘酢を作る
「砂糖(グラニュー糖、上白糖、三温糖いずれでも可)」と「水」を鍋に入れ火にかけて砂糖を溶かします。
砂糖が溶けましたら、火を止めて粗熱を取ります。
粗熱が取れたら、「酢」「ヌクマム」を加えて、全体が混ぜ合わさりましたら「甘酢」の出来上がりです。
甘酢に漬ける
塩をまぶして水が出た「大根」と「人参」の塩分を、流水で2回から3回洗い流します。
このまま甘酢につけてしまいますと、塩分が濃くなりすぎてしまいます。
洗った「大根」「人参」を両手で絞りながら、余分な水分をしっかりと切ります。
この「なます」は冷蔵庫で3日から4日保ちますので、多めに作ってお漬物のように箸休めやサンドウィッチなどに入れて楽しんでみてください。
水気を切った「大根」「人参」に甘酢を加えて、混ぜ合わせてから2時間から3時間漬け込みますと食べごろとなります。
軽く水分を切りながら器に盛り付けます。
本日は「大根」と「人参」でご紹介しましたが、「れんこん」や「きゅうり」などを入れていただいても、異なった食感を味わえたり、彩りが綺麗になると思います。
ヌクマムの旨味が効いたベトナムの常備菜〈大根と人参のなます〉が出来上がりました。
材料〈作りやすい分量〉
材料 |
大根 300g/人参 100g/塩 12g/酢 80g/砂糖 50g/ヌクマム 20g/水 80g |
作り方
① 大根は、なみなみピーラー(刃が波状になったピーラー)で皮をむく、縦4つに切り、切った面もなみなみピーラーを入れて、包丁でスライスする。(なみなみピーラーが無い場合は、いちょう切りや千切りでもよい)
② にんじんも皮をなみなみピーラーで剥き、薄切りにして花形にする。
③ ②に塩をもみ込んで約20分ほど置く。
④ 鍋に水と砂糖(グラニュー糖、上白糖、三温糖どれでも可)を入れ火にかけ、砂糖が溶けたら火を止め冷ます。
冷めたら酢とヌクマムを加えて混ぜる。
⑤ ③がしんなりしたら流水で2~3回洗って、塩気を落として、手でしっかり水気をしぼり甘酢につける。
2~3時間おいて味をなじませる。
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