「南青山エッセンス」
藪崎友宏
おこげにあんかけをジューっとかけて香りと音を楽しむ
口伝
中華おこげとキノコあんかけ
米を炊いてそれを干した中華のおこげを高温で揚げて、その上からキノコをふんだんに使ったあんかけをかけジューッという美味しい音と香りとともに食べていただく一品です。
中国の雲南省などの山の方には新鮮なキノコがありますが、広い中国のその他の地方ではキクラゲやシイタケの乾燥キノコを使うことが多いのですが、日本では新鮮なキノコが簡単に手に入りますので、本日は生のキノコを使ってあんかけにいたします。
キノコの下処理
本日用意しましたキノコは「なめこ」「ヒラタケ」「えのきだけ」「エリンギ」「舞茸」「しめじ」の六種類です。
まず「しめじ」は石突きを落としてから1本1本ほぐしてバラします。
「舞茸」も硬い石突きの部分を落としてほぐし小房に分けます。
「ヒラタケ」も石突きのあたりは固くて変色していることがありますので、落としてから食べやすい大きさにそぎ切りにします。
「えのき」は石突きの部分を落として、手で揉んでほぐしてから、半分の長さに切り分けます。
「エリンギ」は石突きを落としてから、縦半分に切って、一口大のそぎ切りにします。
あんかけを作る
熱した鍋に「ネギ油」を入れて馴染ませてから、「なめこ」以外の「ヒラタケ」「えのきだけ」「エリンギ」「舞茸」「しめじ」を入れて炒めます。
「なめこ」は初めから入れるとくっ付いてしまいますので、後から入れます。
軽く炒めましたら「中華スープ」を加えます。
「中華スープ」を入れてから「なめこ」を入れます。
さらに「塩」「きび砂糖」「こしょう」「オイスターソース」「醤油」「たまり醤油」を入れて少し煮込みます。
キノコは煮込むことによって出汁がよく出ます。
煮込みましたら「水溶き片栗粉」でとろみをつけますが、「なめこ」から自然なとろみが出ていますので、「水溶き片栗粉」を入れすぎないように注意します。
中華料理はなんでもかんでも強火で炒まるイメージがありますが、「水溶き片栗粉」を入れる際は、火を弱めた方がダマになることなく無難にとろみがつきます。
とろみがつきましたら最後に「ごま油」を香り付けで入れます。
「ごま油」を入れましたら、ひと混ぜして器にとります。
おこげを揚げる
鍋に「揚げ油」を入れて「おこげ」を揚げるのですが、油の温度が低いとフワッと綺麗に上がらないので、200度くらいの高めの温度で揚げていきます。
熱々の油の中に「おこげ」を一気に入れて色が付いたら取り出します。
土鍋に揚げた「おこげ」を入れて「キノコたっぷりの餡」をかけます。
音と香りをお楽しみください〈中華おこげのキノコあんかけ〉の完成です。
材料〈2人前〉
材料 |
しめじ 30g/舞茸 40g/ヒラタケ 30g/えのきだけ 30g/エリンギ 30g/なめこ 30g/ねぎ油 適量/中華スープ 250g |
〈A〉 |
塩 小さじ1/2/きび砂糖 小さじ1/こしょう 少々/オイスターソース 10g/しょうゆ 小さじ1/2/たまりじょうゆ 小さじ1/2 |
作り方
① しめじを一本一本ばらし、舞茸は石突を落とし手で小房にほぐし分ける。ヒラタケは石突を落とし食べやすい大きさにそぎ切りにする。えのきだけは石突を落とし、手で揉みほぐしてから半分の長さに切る。エリンギは石突を落として縦半分に切りひと口大にそぎ切りにする。
② フライパンを強火で熱した後、ねぎ油をなじませ、なめこ以外の①を入れてさっと炒める。中華スープを入れてから、なめこを加える。Aで味を整え軽く煮込む。弱火にして水溶き片栗粉でとろみをつける。最後にごま油を入れて香り付けをしたら一旦器に入れておく。
③ 鍋に200℃に熱した揚げ油を用意して、中華おこげを色よく揚げる。揚がったらザルに上げておく。
④ 土鍋(器)に③を入れ、②を上からかけて完成。
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