「慈華」
田村亮介
具だくさんの海鮮あんで体ポカポカ
口伝
卵とトマトの酸辣湯(サンラータン)
炊いたご飯を平たく伸ばしてから揚げて「おこげ」のようなものに、「生姜」と「ニラ」と「海鮮」を入れた体がポカポカ温まるあんかけを添えていただきます。
ポイントは「ニラ」と「生姜」ですので、この二つを入れていただければ材料は他のもので結構です。
具材の下処理
「白菜」は固い部分と柔らかい部分を分けます。
芯の部分が厚い場合は、削ぎ切りしてひと口大に切っていただくと火の通りが早くなります。
葉の部分は芯の部分よりも大きめにザク切りにします。
「ニラ」は4cmほどの長さに切り分けます。
「にんじん」は約5mmの薄切りにしますが、切り込みを入れると見栄えが良くなります。
「生姜」は擦りおろします。
「あさり」は砂抜きして、「エビ」の背わたをとって綺麗に掃除しておきます。
おこげ風を作る
温かい「ご飯」をビニール袋の中に入れて、香ばしさをつけるのに「醤油」を加えます。
「醤油」を「ご飯」全体にまぶすようにビニールを強めに揉みながら粘り気を出します。
ここで冷たい「ご飯」ですとなかなか粘り気がなくモチモチ感が出ませんので、必ず温かい「ご飯」を使います。
冷凍したものや冷たいものでも電子レンジなどで温め直せば大丈夫です。
後ほどおこげ風に伸ばす際に、米の粘着性を利用しますのでビニール袋が破れない程度にしっかりと揉んでください。
ポイントとして米粒が潰れても結構ですので「ご飯粒」同士がくっつくようにします。
「ご飯」がくっついて粘り気が出ましたら、ビニール袋から広げた大きめのラップの上に出し成型をします。
「ご飯」をラップに包んで平らに伸ばします。
本来「おこげ」を作るときは乾燥をさせますので、しっかり伸ばして薄くしますが本日は〝おこげ風〟ですので乾燥させずにそのまま揚げ食べ応えがあるように1cmくらいのほどよい厚みに伸ばして、6切りほどの大きさに切り分けます。
餡を作る
鍋に「中華スープ」を入れて温めて「白菜の固い部分」と「にんじん」を入れて沸騰したら弱火にしてコトコト1分間ほど煮て味わいを出します。
「中華スープ」を沸かしすぎると濁ってしまいます。
見た目が濁りますと、必ず味も濁ってしまいます。
次に「白菜の葉の部分」「あさり」を入れて中火くらいで「あさり」の殻が開くまで煮ますが、「あさり」は煮すぎると固くなってしまいますので、殻が開くまでの間に調理をします。
鍋に「酒」「塩」「醤油」を加えてから「エビ」を入れ、おろした「生姜」を加えて味が決まりましたら「ニラ」を入れて「水溶き片栗粉」でとろみをつけます。
「水溶き片栗粉」は必ず鍋の火を止めて、細く流し込んで鍋を揺らしながらダマにならないようにします。
おこげ風を揚げる
「おこげ風」は長時間あげてしまいますと水分が抜けてしまいますので、180度くらいの温度の油で表面はカリッと中はモチっとした状態で揚げます。
「おこげ風」を油の中に入れた時に細かい泡がつけば108度程度の温度です。
「おこげ風」同士がくっつかないようにして離したら、あまり動かさないで香ばしそうな色がつくまで揚げます。
香ばしい色がつきましたら裏返して、反対側にも色がつくまで揚げます。
表面がカリッと揚がりましたら、「おこげ風」を熱々のうちに器に盛り付けて「餡」をかければ出来上がりです。
外はカリカリ中はもっちり熱々の〈手作りおこげ風あんかけ〉の完成です。
材料〈2人から3人前〉
材料 |
にら 15g/白菜 80g(1枚)/にんじん 25g/しょうが(おろし) 大さじ1と1/2/むきえび 中3尾/あさり 6個/中華スープ(※) 400ml |
〈A〉 |
酒 大さじ1/塩 小さじ1/2/しょうゆ 大さじ1と1/2 |
おこげ |
温かいごはん 250g/しょうゆ 大さじ1/揚げ油 適量 |
※1中華スープは鶏がら、または豚と鶏のひき肉でとる清湯(チンタン)。有塩の市販品を使う場合は表示よりも薄味にして塩分を調節する。
作り方
① にらは4㎝長さに切る。白菜は芯と葉に切り分け、芯は一口大に切り、葉はざく切りにする。にんじんは5㎜厚さの半月切りにする。えびは背ワタを取る。あさりは砂抜きしてからこすり洗いする。
② ポリ袋に温かいごはんとしょうゆを入れ、手で揉んで粘りが出るまでよくつぶす。ラップを広げた上に広げ、ラップをかぶせて約20cm四方に伸ばし、6等分に切り分ける。
③ あんかけを作る。鍋に中華スープを入れて強火で沸騰させ、にんじんと白菜の芯を加える。沸騰したら弱火で1分煮て、白菜の葉とあさりを加え、中火にして(A)で味を調える。えびとしょうがを加え、えびに火が通ったらにらを加えてさっと煮る。一度火を止め、水溶き片栗粉を加え、再度火をつけ沸騰してとろみがついたら、酢を加え、火を止める。
④ 鍋に揚げ油を1㎝深さに注ぎ180℃に熱する。②を入れてきつね色になったらそっと裏返し、裏側もきつね色に揚げる。
⑤ ③のあんかけと④のおこげをそれぞれ器に盛り、おこげが熱いうちにあんかけをかける。
◆野菜はにらとしょうが以外、好みのものでアレンジしてもよい。
◆ごはんは必ず温かいものを使う。ごはんは潰し具合が足りないと揚げているうちに崩れてしまうので、しっかりと粘りが出るまで潰す。
◆少ない油でおこげの表面だけを揚げ焼きにし、外はカリッと、中はもっちりとした食感にする。
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