「よだれ鷄」
飯田徹也
しっとりとゆでた鶏胸肉に個性豊かな2種のタレをたっぷりかけて
口伝
鶏胸肉の冷菜
鶏胸肉」を使ってしっとりヘルシーな冷菜を作ります。
中華の前菜でおなじみの白い鶏をご家庭でご賞味ください。
ねぎ油を作る
油にネギの香りを移した「ねぎ油」は、中華料理で最もベーシックな油です。
炒め物やスープ、和え物など何にでも使えますので、ご家庭に常備していただければ、味の幅が広がります。
「ねぎの青い部分」「しょうが」「玉ねぎ」を用意しますが、皮付きのままのブツ切りで結構です。
油はサラダ油で構いませんが、健康を気になさる方はオリーブオイルで作ると胸焼けのしない美味しい「葱油」を作ることができます。
油の温度は気にせずに材料を入れて、フツフツ沸くまでは強火で、湧いた後は弱火にして20分から30分煮ます。
ネギが色付いて、さわっても水の出る音がしなくなったら完成ですので、クッキングシートで濾します。
出来上がった「ねぎ油」は常温で1週間以上持ちます。
鶏胸肉をボイルする
水の状態から「鶏胸肉」を入れると、肉の水分が抜けてパサパサになってしまいますので、必ず沸いたお湯に入れてボイルします。
湯には臭み消しで「ねぎ」と「しょうが」を入れておきます。
「鶏胸肉」を入れて一度温度の下がった湯が再沸騰したら火を止めて、蓋をして30分ほど余熱で火を入れます。
余熱で火を通すと沸点が上がらないので、芯までしっとりと火が通ります。
ソース2種を作る
「鶏胸肉の冷菜」に合う「ねぎ油ソース」と「ピリ辛ソース」を作ります。
ボウルに、みじん切りにした「長ねぎ」、すりおろしの「しょうが」、「塩」「砂糖」を入れ、ここに先ほど作った「ねぎ油」を熱して数回に分けて加えながら混ぜます。
次に、「ピーシェン豆板醤※」、「練りゴマ」、すりおろしの「にんにく」、「醤油」「砂糖」「いりごま」「一味唐辛子」をボウルに入れます。
※ピーシェン豆板醤_四川省特産、豆板醤を3年発酵させて、辛味と塩気をまろやかにして、香りが強く美味しい調味料です。麻婆豆腐などに使います。
熱した「サラダ油」を数回に分けて入れながら、混ぜ合わせます。冷めたものを密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すれば1週間ほど持ちます。
盛り付け
蒸しあがった「鶏胸肉」は、すぐ食べない場合は「塩水」に漬けて保存します。蒸しあがりを、その日の内に切って食べるのが、一番おいしく召し上がれます。「鶏胸肉」を、お好みで食べやすい大きさに切り分けます。
蒸した「鶏胸肉」は、冷めてからの方が、水分も抜けにくく切りやすくなります。
皮が気になる方は、皮を取ってください。
盛り付けはなるべく山になるように高く盛ると、仕上がりが綺麗になります。
器の真ん中に「鶏胸肉」に「ねぎ油ソース」「ピリ辛ゴマソース(よだれ鷄ソース)」をかけて、「パクチー」や「ねぎ」のみじん切り、砕いた「ピーナッツ」「ラー油」などをお好みでトッピングしてください。
しっとりジューシーに仕上げた鶏胸肉を2種類のソースでお楽しみください〈鶏胸肉の冷菜〉できました。
材料〈2人前〉
材料 |
鶏むね肉 1枚 |
〈A〉 |
長ねぎの青い部分 適量/しょうが 適量 |
〈B〉ねぎソース |
長ねぎ 60g/しょうが 120g/塩 小さじ1/砂糖 小さじ1弱/ねぎ油 1/2カップ |
〈C〉よだれ鷄ソース |
しょう油 大さじ3/砂糖 大さじ5/白練りごま 60g/ピージュン豆板醤 75g/白いりごま 15g/一味唐辛子 15g/にんにくすりおろし 12g/サラダ油 1/4カップ |
〈D〉ねぎ油 |
サラダ油 1カップ/長ねぎの青い部分 1本/しょうが 2かけ/玉ねぎ(皮つき) 1/2個 |
仕上げ用 |
パクチー 適量/長ねぎ(みじん切り) 適量/ピーナッツ 適量/ラー油 適量 |
作り方
【下準備】
・長ねぎはみじん切り、しょうがはすりおろす。
① ねぎ油を作る。鍋に<D>の材料を入れて強火で熱し、油がふつふつしてきたら弱火にする。このまま20分~30分煮て、こしたら完成。
② 沸かしておいたたっぷりの湯に<A>と鶏胸を入れ、沸騰したら火を止めてふたをし30分ほど余熱で火を入れる。
③ 青ねぎソースを作る。耐熱ボールに<B>を入れ、熱したねぎ油をかけて混ぜる。
④ よだれ鶏ソースを作る。2と同様に耐熱ボールに<C>を入れ、熱したサラダ油をかけ混ぜ合わせる。
⑤ 1の鶏胸を食べやすい大きさに切り、器に盛ってパクチーを添えソースをかける。
⑥ お好みでパクチーや長ねぎ、ピーナッツ、ラー油をかけてもよい。
※鶏むね肉を茹でてすぐに食べない場合は塩水(※1)につけて保存するとパサつきを防げる。
◆鶏胸は常温にしておく
◆鶏胸は余熱で火を通すことでパサつかず、しっとりとふっくら仕上がる。
◆鶏肉をゆでてすぐに食べないときは塩水につけて保存すると、パサつきをふせげる。
※1塩水の作り方:鶏の茹で汁370mlに塩小さじ1、砂糖ひとつまみ入れて沸かし、冷ましてから使用する。
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