匂い成分が血液をサラサラに
処暑の末候_「禾乃登/こくものすなわちみのる」この時候に「ピーマン」をいただきます。
禾乃登_9月3日から9月7日
禾乃登_稲穂がたわわに実り、頭を垂れる頃です。田圃の風景を背に、松虫などの秋の虫たちが合唱を始める頃でもあります。
秋の草花の中に〝きんえのころ〟があります。〝えのころ〟とはイネ科の植物で「狗尾」と書きますが、その意味は「子犬の尻尾」です。
フワフワの毛がついた穂先は見るからに、駆け回る子犬のそれです。
晩夏の野原、風に〝きんえのころ〟が一斉にさわさわと揺れる景色には、やがてくる秋の匂いが漂ってくるようです。
〝きんえのころ〟の別名は「猫じゃらし」、犬と猫同様に、我々の身近にあって和ませてくれるものです。
ピーマン_夏場の体力回復に
ナス科。中南米産の唐辛子をヨーロッパで改良した甘味種のひとつ。日本へは明治時代に入ったものの普及したのは大戦後。独特の青臭さは他にない特徴。
【選び方】大きくて肉厚のもの、緑色が濃くて艶があり、固いものが良品。ヘタの切り口が新しく、ヘタの周囲に張りがあれば新鮮。
【保存方法】保存は水気をしっかり拭き取ってポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室が基本。
【旬の時期】ハウス栽培が盛んで一年中出回るが、露地物の旬は6月から9月。
【主な生産地】茨城県、宮崎県、高知県、鹿児島県が主な産地。
【栄養】抗酸化作用の強いβカロテン、ビタミンC・Eを豊富に含み、夏場の体力回復に欠かせない野菜。青臭い臭いのもととなるビラジンは、血液の老廃物を取り除き、血栓を防いで動脈硬化や心筋梗塞を予防する作用あり。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、野崎洋光料理長「かき友禅漬け」、古賀純二シェフ「野菜のテリーヌ」秋元さくらシェフ「サラダベルト」田村涼介シェフ「スペアリブのブラックビーンズ蒸し」、鈴木珠美シェフ「海老のココナッツクリーム煮」、ジョン・キョンファ先生「チャプチェ」などをご参考ください。