「分とく山」
野﨑洋光
三色の彩りがゲストの笑顔を誘う、おもてなし料理にぴったり!
口伝
かき友禅漬け
〝海のミルク〟と云われる「かき」を更に美味しく食べる方法をご紹介します。
友禅という名前は、「かき」を三色のパプリカで彩るため、京都の友禅染めからイメージして付けました。
漬けダレを作る
「オイル」「酢」「醤油」を加えます。
「オイル」は、サラダ油、ごま油、なたね油、オリーブオイル、オメガ3※の豊富なえごま油など、お好みの油で結構です。
※オメガ3_不飽和脂肪酸のひとつ/えごま油、亜麻仁油、青魚などに多く含まれ、動脈硬化や血栓を防ぐと云われている。
「酢」は、一度沸騰させて煮切っておくと良いでしょう。
ここに「醤油」を加えますが、「オイル:酢:醤油」の配合の比率は「6:4:2」ですのでこれをよく覚えておいてください。
更に、セサミン※たっぷりの「白炒りごま」を加えれば漬けダレの完成です。
※セサミン_抗酸化物質のひとつ/老化抑制や肝機能の改善、抗アレルギーに効果的な成分
5ミリ角に切った赤色と黄色「パプリカ」と緑色の「ピーマン」を食感を少し残す程度にさっと湯通しして、漬けダレに入れます。
同様に5ミリ角に切った緑色の「ピーマン」を湯通しして水気を切っておきます。
かきを蒸す
「かき」は平らな面を上にして並べ、殻ごと蒸し器で口が開くまで約5分ほど蒸します。
貝柱が殻から外れて殻が少し開いたくらいがちょうど良い蒸し具合です。
蒸し過ぎますと「かき」が痩せて硬くなりますので注意してください。
「殻がき」がない場合は「剥き身のかき」を大根おろしで洗って、汚れを落としてから、同様に蒸してお使いください。
ただし「かき」は、殻付きの方が断然美味しいですから、殻付きをお使いになるようにしてください。
蒸しあがった「かき」を漬けダレに15分以上漬けて味をなじませます。
盛り付け
かきの殻を器として盛り付けます。
漬け込んだ「かき」を殻の器に乗せ、その上に漬けダレに入っている2色の「パブリカ」を散らし、別に置いていた緑色の「ピーマン」を混ぜるように散らせば、友禅のように美しく盛れます。
海のミルクと云われる栄養豊富なかきに、オメガ3の体に良い油などで作る〈かきの友禅漬け〉ぜひ食べてみてください。
参考:殻付きかきの開け方
「かき」の殻を開けるのは難しいのですが、コツをお教えします。
殻の平らな部分を上にして、ちょうつがいを手前にした時に、右側の中央あたりに貝柱があります。
この貝柱を見つけて切れば殻が開きますが、これがなかなか難しいことです。
これを見つける方法として、右側中央あたりの部分をペンチでかき取りますと、刃物が入りやすい場所を比較的簡単に見つけることができます。
厚手のフキンなどを使って、殻の蓋を押さえながら、貝むき器やナイフ/刃物で貝柱を切り、殻を開けて実を取り出します。
材料〈2人から4人前〉
材料 |
生かき 8個/パプリカ(赤・黄) 各1/4個/ピーマン 1/4個 |
〈A〉 |
サラダ油 大さじ1と1/3/オリーブ油 大さじ1と1/3/ごま油 大さじ1と1/3/酢(煮切ったもの) 大さじ2と2/3/しょうゆ 大さじ1と1/3/炒り白ごま 50g |
作り方
① <A> の材料をボールに入れ、混ぜ合わせておく。
② パプリカとピーマンは5mm角に切り、それぞれ熱湯にさっと通して水気をきり、パプリカだけ①に入れて合わせる。
③ かきは水で洗い、ペーパータオルで水けを拭く。かきを蒸気の上がった蒸し器に入れ5分ほど蒸す。
※殻つきの場合は、かきの平らな側を上にして蒸気の上がった蒸し器に入れ、殻が開くまで5分ほど蒸す。蒸しあがったら殻を開けて身をスプーンで取り出す
④ ③のかきを①に加え、15分以上漬ける。
⑤ 器に④を盛り、②のピーマンを散らす。※殻つきの場合は、かきの殻に④を盛り、②のピーマンを散らす
◆タレは一週間ほど日持ちする
◆ピーマンは色が変わらないよう仕上げに散らす。
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