辛味成分がホルモンの代謝促進
立春の末候_「魚氷上/さかなこおりにのぼる」この時候に「山椒/さんしょう」をいただきます。
魚氷上_2月14日から2月18日
魚氷上_暖かくなって湖の氷が割れ、魚が跳ね上がるころです。
この二月頃から渓流釣りが解禁となり、岩魚(いわな)や山女魚(やまめ)、天魚(あまご)釣りが始まります。これらの魚は古来から日本にいた在来種です。
岩魚は全長三十センチ前後の白と橙色の斑点がある魚で、二月から獲られますが、旬は餌の多い夏が美味とされています。
焼いた岩魚に熱燗を注ぐ骨酒は独特の風味があり、これは寒い時期にいただきたいものです。
山椒_消化と食欲を促進
ミカン科の落葉低木。日本全土に自生するが、明治初期から促成栽培も開始された。「木の芽」と呼ばれる若芽は、天然物は強い香りと辛味、酸味、苦味があり、旬になると微かな甘味、旨味までも持つ。
【選び方】木の芽や花山椒は傷みやすいので、茶色く変色していないものを選ぶ。
【旬の時期】若芽は3月から5月で節分から立夏までのものを「木の芽」立夏以降のものを「葉山椒」と呼ぶ、花山椒は4月半ば、青山椒は6月上旬から7月上旬に出回る。
【産地】和歌山県が5割以上を占め、高知県、兵庫県なども。
【保存の方法】水で湿らせたキッチンペーパーをかぶせてラップする。
【栄養】独特のピリッとした辛味は、サンショオールと呼ばれる成分によるもの。サンショオールには大脳を刺激して、内臓器官の機能を高める働きがあり、漢方では消化促進を助ける健胃薬として用いられる。また、ホルモンの分泌を促して基礎代謝をアップさせ発汗を促す作用がある。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、野﨑洋光料理長「秋刀魚の有馬煮」「玉ねぎと貝柱のスープ」浅見健二料理長「昆布の有馬煮」「出汁巻き玉子」田村亮介シェフ「麻婆豆腐」飯田徹也シェフ「上海風大根のお漬物」などをご参考ください。