穀雨_令和8年4月20日から令和8年5月4日まで
百夜通い
四月から五月にかけて咲く花に「芍薬(しゃくやく)」があります。この時期の代表的な美しい花の「牡丹」と並び称されます。
両花はともに同類のボタン科に属するのですが、芍薬は草で牡丹は木です。
「芍薬」はその名が表すように、かつて中国では薬草として用いられていましたが、その姿の美しさからやがて観賞用に栽培されるようになりました。
「たてば芍薬、すわれば牡丹、あるく姿は百合の花」は美人を称える言葉ですが。
平安時代前期の女流歌人で、たぐい稀なる美女と称された〝小野小町〟は、芍薬と深い縁があります。
京の都で才色兼備の歌人と評判を得た小野小町でしたが、望郷の念強く、やがて故郷の出羽の国・福富の荘桐の木田(現在の秋田県湯沢市小野字桐木田)に戻ります。
小町に恋焦がれ、小町を追って都から出羽までやって来た深草少将(ふかくさのしょうしょう)に小町は「芍薬の花を持参して百夜通えばあなたの思いに添いましょう」と伝えます。
ところが百日目の夜の大雨の中、深草少将は通いの途中で芍薬ごと川に流され死んでしまします。
これが「百夜(ももよ)通い」の伝説となり、いまも小野小町の住まい跡には九十九本の芍薬が咲いているそうです。
今回の特集は、木の実料理特集「木の実使い」とシェフの知恵は「 牡丹華 胡桃編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹

