1. フレンチで春野菜

  2. 春中華

  3. 野﨑洋光続 熱燗の肴

  4. 白菜使い

  5. 古賀純二のソース

  6. 基本の出汁野﨑洋光

  7. 雑煮 三題

  8. 江戸のおせち壱山﨑美香

  9. 江戸のおせち弐山﨑美香

  10. 濱崎泰輔マンマのトマトソース

  11. 髙橋雄二郎のソース

  12. 音羽創のソース

  1. 雀始巣 浅葱編

  2. 桃始笑 独活編

  3. 土脈潤起 鱵編

  4. 東風凍解 小松菜編

  5. 款冬華 カリフラワー編

  6. 芹乃栄 白子編

  7. 鱖魚群 青梗菜編

  8. 閉塞冬成 ローズマリー編

  9. 金盞香 水菜編

  10. 楓蔦黄 キャベツ編

  11. 水始涸 舞茸編

  12. 霜始降 木耳編

  1. 料理人街

  2. 日本料理 Japanese

  3. フランス料理 French

  4. イタリア料理 Italian

  5. 中華料理 Chinese

  6. 韓国料理 Korean

  7. ベトナム料理 Vietnamese

小満

小満_令和元年5月21日から6月5日まで

この時候「小満/しょうまん」は、陽気盛んで、山野の植物は花を散らして実を結び、田に苗を植える準備を始めるなど、万物がほぼ満足する季節と『暦の本』にあります。

また別の書物には「万物が成長し天地に満ちはじめる」ともあります。

若葉のころ

この時候の季語に、山野一面を覆う新緑をあらわす「万緑」がありますが、私の記憶の中にも「万緑」を思い起こす場面がいくつかあります。

二十年ほど前に、この時候の「奈良/山野辺の道」を取材した際、脇道に逸れた場所に柿木畑を見つけました。
その艶やかな緑にカメラマンも私も息を呑み、撮影も忘れしばし佇みました。
それは、あたり一面に漂う生命力と、澄み渡った爽やかさとを同時に感じた瞬間でした。

蕪村の句に「茂山や さては家ある 柿若葉」というのがありますが、あの景色を見てこその味わいがあるというもので、良い句とは時代と空間を超えるものだと感じました。

また、その頃に「柳生街道」で目の当たりにした、楓の若葉〈若楓〉の葉と葉の緑の隙間から一条の陽が差し込む風景も見事でした。
この時は、この陽を求めてカメラマンがカメラを構えたまま1時間動きませんでした。

 

春の名残りと夏の走り

またこの時候は、春の名残りと夏の走りを味わう季節でもあります。

春の名残りとして「筍、蕨、芹、空豆、甘鯛、白魚」
夏の走りとして「トマト、セロリ、トウモロコシ、枝豆、鯵、鮎魚女」などです。

現在は、流通と生産技術が進んで一年中手に入るものもありますが、季節の変わり目の食卓に、過ぎ行く食材とこれから旬を迎える食材が同時に乗るのは楽しいものです。

『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹