「オトワレストラン」
音羽 創
どんな魚介にもよく合う色鮮やかなソースとともに
〈ホタテ貝のポワレ きゅうりのソース〉
口伝
きゅうりのソースが食欲を刺激する
本日の料理は、フレッシュなキュウリのソースにケッパーやビネガーの酸味を加えて軽やかに仕立てて、食欲の落ちる夏に効く一品にしたいと思います。
マリネ感覚でいただける、きゅうりをたっぷりと使った爽やかなソースを帆立貝と合わせた一品です。ソースは白身魚やいか、えびなどの魚介や、冷製パスタのソースにもおすすめです。
〈ソースを作る〉「キュウリ」を粗めのおろし金ですりおろします。
細かくおろしてもよろしいですが、粗めの方が「キュウリの食感」などが現われやすいので、私は好んで粗めにしてます。
次に「玉ねぎ」をすりおろします。
玉ねぎは、水につけて辛味を飛ばしたり一切しません。
このまま1/3ほどをすりおろします。
味わいのバランスとして「玉ねぎの辛味」が食欲の増進につながると思っています。
ボウルに、「すりおろしたキュウリと(すりおろした時に出た)そのジュース」「玉ねぎとそのジュ(食材から出た汁)」も全て入れます。
これに「ケッパー・白ワインビネガー・エキストラヴァージンオリーブオイル・アサリの出汁・塩・(お好みで黒胡椒)」を混ぜ合わせればソースは完成です。
「白ワインビネガー」や「ケッパー」は、加えますと少し色がくすんでくることがありますので、時間が空く場合は、食べる直前に白ワインビネガーやケッパーを加えて混ぜるようにすると、鮮やかにいただけるかと思います。
※店では通常コンソメを使いますが今回は「アサリの出汁」を使います。
「アサリの出汁」は、砂抜きをしたものをボウルに入れて10~15分蒸してから、紙で濾したものです。
〈ホタテ貝をポワレする〉
フライパンに油を引いて「ホタテ貝」を強火で焼いていきます。
あまり動かさずに、片側から火を通していきます。
今回は、お刺身でも食べられるホタテ貝ですので、「半生で仕上げ」ます。
強火で一気に火を通すことで「ホタテ貝のジュ」が出にくくなります。
動かしながら焼くと火の通りが遅くなりホタテ貝のジュが出てしまいますので、それを防ぐためにあまり動かさないようにします。
煙が出てきましたら火を弱火にしてください。
大体「1分から1分半くらい」火を通します。
裏側に焼き色がついて香ばしくなりましたら、「反対側を約30秒くらい」焼きます。煙が上がっているようでしたら、そのまま弱火で構いません。
30秒焼いたらフライパンから取り出します。
中は生の状態です。 この後は余熱で火を通していきます。
※今回は、フレッシュなホタテ貝を使っていますが、お好みで白身魚やイカ、エビなどでも美味しくいただけますので臨機応変に自在に考えていただいて結構です。
〈付け合わせ〉に今回はレタスを使います。
鍋の沸騰したお湯の中に、「オリーブオイル・塩」を加えて、食感が残る程度に「レタス」をさっと茹でて氷水にとります。
「サラダとお魚料理の間」ぐらいを狙って今回は作っています。
〈盛り付け〉冷蔵庫で「キンキンに冷やしたきゅうりのソース」を器の下にたっぷり敷いて、ポワレした帆立貝、その上に茹でたレタスを乗せ、仕上げに穂ジソを散らし、まわりにオリーブオイルをたらせば〈ホタテ貝のポワレ きゅうりのソース〉の完成です。
きゅうりの爽やかさと玉ねぎの程よい辛味が食欲をそそる、酸味の効いたソースです。 白身魚やイカ、エビにもよくあいます。
材料〈2人前〉
材料 | ホタテ貝柱(刺身用) 大2個/レタス 2枚/花穂じそ(好みで) 適量/オリーブ油(EXV)適量/塩 適量 |
〈きゅうりソース〉材料 | きゅうり 160g/玉ねぎ 15g/ケッパーの酢漬け(刻む) 12g/オリーブ油(EXV)25g/白ワインビネガー 6g/アサリの出汁(*1) 60g/塩 適量 |
作り方
① きゅうりソースを作る。きゅうり、玉ねぎは粗めにすりおろし、残りの材料を加えて混ぜ合わせる。冷蔵庫に入れ、よく冷やす。
② フライパンにオリーブ油適量を強火で熱し、ホタテを1~1分半焼き、返して火を弱め、30秒ほど焼く(中心はレアな状態)。取り出して休ませ、余熱で火を通す。
③ レタスは、オリーブ油と塩各適量を加えた湯で、さっと湯引きして水気をきる。
④ 器にきゅうりソースを敷き、ホタテ、レタスを乗せ、好みで花穂じそを散らし、オリーブ油をかける。
(※1)あさり(約1パック)を砂抜きしてから蒸し、ザルにあけ、蒸し汁をペーパータオルでこしたもの。
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