「山さき」
山﨑美香
焼き味噌の香ばしさが食欲を引き立てる
〈あじの焼き味噌和え〉
口伝
和え物は、直前に和え、すぐ食すべし
焼き味噌というのは味噌をちょっと焼いたものなんですけれども、「江戸時代の料理本の中にも出てくる一品」となっています。
夏に「あじ」が美味しくなりますのと、「青唐辛子が入ったお味噌」で和えて辛味が増し食欲が増す一品です。
〈焼き味噌を作る〉耐熱の器に「味噌」を入れ、器の周りに「味噌を3っmくらい」の厚さに塗りつけていきます。
耐熱容器がなければ、アルミホイルでも充分代用できます。
焦がしたいのは表面だけですので、分厚く塗りつけず、なるべく焦がす部分の面積を大きくします。
お味噌は「白味噌」や「赤味噌」ではなくて、普段お味噌汁に使っているお味噌を使ってください。「出汁入り」なども避けて「ごく普通のお味噌」にしてください。
味噌を塗りつけた容器を焼き台に伏せます。
ご家庭では普段お使いの「トースター」で同じことができます。
「焼き台で5分くらい」ですが、味噌にいい焼き色がついて、良い匂いがしてきましたら焼き上がりです。
〈焼き味噌〉は、お魚を和える以外にも、キュウリにつけて食べるなど色々お使いになれると思います。
〈あじの下ごしらえ〉はお刺身用に売っている物の皮を剥いて、身の真ん中のところを指で触ってみて小さな骨があるかどうか確認してください。
小骨があるようでしたら骨抜きで抜いてください。
また、身に弾力がなくしまっていない時には、軽くお塩を振って寝かせると余分な水分が出て美味しくなります。
「あじ」は、お刺身を召し上がるときのように、少し細かめに切ってください。
〈焼き味噌衣を仕上げる〉焼いた味噌をボウルに入れてほぐします。
焼き味噌の量はお好みで調整してください。
味噌は焼いた時に水分が飛んで固くなくなっているので、それを中和させるために「煮切り酒(アルコールを飛ばした日本酒/約小さじ1)」を入れて伸ばします。
〈薬味〉に本日は「青唐辛子」を使います。
「青唐辛子は」縦に包丁を入れてタネを除いてから、小口切りにします。
薬味は、お好みで「赤い唐辛子」「一味」「七味唐辛子」などでも大丈夫です。
夏にこの「青唐辛子」の香りと辛味がよろしいと思います。
〈和える〉「焼き味噌」と「青唐辛子」を絡ませてから、「あじ」を入れて和えていきます。
このお料理は〝和えたらすぐに召し上がってください〟時間が経つと「焼き味噌」の塩分が「あじ」の方にどんどん入って、料理が水っぽく生臭くなってしまいます。
焼き味噌の香ばしさと、青唐辛子の辛味がたまらない〈あじの焼き味噌和え〉ができました。 ご飯にもお酒の肴にもぴったりです。
材料〈2人前〉
材料 | あじ三枚おろし(刺身用) 3尾分/みそ 少々/青唐辛子 2本/煮切り酒(*1) 小さじ1 |
作り方
【下ごしらえ】
あじは皮、中骨をとっておく。
青唐辛子は縦半分に切り、種をとり小口切りにする。
① 耐熱皿やアルミホイルなどにみそを塗りつける(3mm厚くらい)。直火またはオーブントースターで焼き色を付ける。
② あじを細切りにする。
③ ボールに①の焼き味噌を入れ煮切り酒でのばす。青唐辛子を入れて和え、②のあじも加えざっくり混ぜる。器に盛る。
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