「山さき」
山﨑美香
豆腐を米に見立てた面白い一品
口伝
豆腐がゆ
「豆腐がゆ」というのは「お豆腐」を「お米」に見立てて「お粥」のように作ったお吸い物のことです。
「絹ごし豆腐」を使って作りますが、こんなに細かくお豆腐を切って作ったお椀を、皆さま召し上がったことがあまりないと思いますが、口に入れた時の食感ですとか、味わいが特別なものになります。ぜひご家庭でもチャレンジしてみてください。
絹ごし豆腐を切る
「絹ごし豆腐」を切るときは、木のまな板をぜひオススメします。プラスティックのまな板ですと滑りが悪くて、豆腐が崩れてしまうことがあると思います。
また、包丁は刃幅のあるものを使わないと、「豆腐」が包丁に引っかかって崩れてしまいますので、できるだけ刃幅の広いものをお使いください。
濡らしたまな板に、水から取った「絹ごし豆腐」を置いて切ります。
まず「豆腐」を3mm幅に縦に切り、3枚から4枚切りましたら、横にしてまた3mm幅に切り、これをさらに横方向から3mmの幅に切って、3mm角のサイの目切りにします。
慣れるまでやり辛いと思いますが、慣れると連続して切ることができるようになります。
きちっとしたサイの目になる必要はないのですが、賽の目の方が見た目がよろしいかと思います。
最後の方は「お豆腐」が自立しなくなり難しくなってきますので、かまぼこの板などを添えて切るようにしますとよろしいかと思います。
サイの目に切った「お豆腐」は水を張ったボウルに入れます。
出し汁を作る
鍋に「水」と「昆布」を入れて火にかけ、沸いてきたら「昆布」を出して「かつお節」を入れて火を止めます。
「昆布」はグラグラ煮立つまで入れず、「かつお節」は自然に下がったところでペーパータオルをひいたザルで濾します。
これが〝一番出汁〟です。
取り出した「昆布」と「かつお節」は、同じ分量の水で煮出しますと、2番出汁が取れますので、煮物や味噌汁の出汁など色々な用途でお使いください。
仕上げる
鍋に豆腐の分量と同じ分量の「一番出汁」を入れ「塩」で味を整えますが、このとき必ず味見をしてください。
「お豆腐」を多く入れますので、少し塩味の効いたおすましの味にします。
御汁が沸いてきたら火を弱めて、ここに「くず粉」を水で溶いたものを加えとろみをつけます。
とろみがついたところに色がつく程度にほんの少し「醤油」を入れ、「くず」に火が良く入るように火を強めて、湧き上がってきたところに水気を切った「お豆腐」を入れます。
「お豆腐」は茶こしを使ってすくって水気を切るとうまくできます。
大きなザルなどですと「お豆腐」が崩れやすくなります。
鍋を振って全体を混ぜ、周りがふつふつと沸いてきましたら、火を止めて出来上がりです。
薬味は「あさつき」と「生姜」をおろしたものをキッチンペーパーくるんで絞った汁の〝つゆしょうが〟を用意します。
「生姜」を絞り「あさつき」をのせて盛り付けます。
お豆腐の優しい味を出汁とクズのとろみで包みました〈豆腐がゆ〉の完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
絹ごし豆腐 300g/だし汁 300g/塩 小さじ2/3 |
※1水溶きくず粉_くず粉10g、水10gを混ぜ合わせる。
作り方
① だしを取る。鍋に水、昆布を入れ火にかける。沸いてきたら昆布を取り出し、煮立ったらかつおぶしを加え火を止める。かつおぶしが沈んだらペーパータオルをしいたざるでこす。
② 豆腐を3㎜角に切り、水の入ったボールに入れる。
③ 鍋にだし汁を沸かし、塩を入れる。弱火にして水溶きくず粉を少しずつ入れてとろみをつける。
④ ③にしょうゆを加え、火を少し強める。沸いてきたら茶こしなどで豆腐の水気を切りながら入れ、再度沸いたらあさつきと、しょうが汁をまわしかける。
◆豆腐を切るときは、刃幅のある包丁で切るとまっすぐ綺麗に切れる。
◆豆腐が小さくなって切りにくくなってきたら、かまぼこの板などで支えながら切ると切りやすい。
◆木のまな板は濡らしてから使う。
◆切った豆腐を水からすくうときは豆腐が崩れやすいので、茶漉しを使うのがおすすめ。
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