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  7. 古賀純二のソース

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  12. 楓蔦黄 キャベツ編

  1. 料理人街

  2. 日本料理 Japanese

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フランス料理 古賀純二 料理の時候 通年料理 新着レシピ

鶏肉の白ワインビネガー煮込み

「シェ・ イノ」
古賀純二

トマトとビネガーのソースで、鶏肉をさっと煮込んだ絶品

口伝

鶏肉の白ワインビネガー煮込み

「鶏肉の白ワインビネガー煮込み」は、フランス語でプーレ・オー・ヴィネーグルPule au Vinègle白ワインビネガーをたっぷり使い酸味の効いた爽やかな鶏肉の料理です。
本来は丸鶏をおろして骨付きき肉を使いますが、本日は鶏もも肉の正肉(=骨や余分な脂を取り除いた鶏肉)を使って作ります。

具材の下処理

「ニンニク」は皮付きの房をそのまま真横に半分に切ります。
「トマト」は大きめのざく切りにします。
フライパンに「オリーブオイル/サラダ油で可」を熱し、低温の状態から、「塩」「胡椒」をした「鶏もも肉」を皮目を下にして並べ、火加減は中火で炒めます。
鶏肉のある程度の脂を落とし、綺麗に焼き目を付けるという目的の作業です。


本来のとてもシンプルな作り方に加えて、「白ワインビネガー」と「ノイリー・プラット」を使って現代風の味に食べやすく、ワインにとても良く合う味に仕上げます。
ノイリー・プラットNoilly Prat_白ワインに複数のハーブ(オニアザミ、コリアンダー、ナツメグ、オレンジ等)を浸け込んだリキュール


「鶏もも肉」の両面に焼き色が付きましたら、一旦取り出します。

ソースと煮込み

フライパンの火を弱火にして「オリーブオイル」を少し足します。
ここに先ほど切った「ニンニク」の断面を下にして入れ焼きますが、後ほど裏ごししますので皮などは気にせず焼いて下さい。
焼き色が付きましたら水分が入りますので続けて両面を加熱します。
この料理のポイントとなるのは、鶏肉に対してたくさんの「ニンニク」を使うことにあります。


「ニンニク」に充分焼き色が付きましたら、みじん切りにした「玉ねぎ」を入れ軽く「塩」をして軽く焼き色が付きましたら「白ワインビネガー」をたっぷり加えて、強火で2/3になるくらいまで軽く煮詰めます。酢の角を取るようなイメージです。
ここに「ノイリープラット」を加えてアルコールを飛ばします。
「ノイリープラット」は、当店「シェ・イノ」では魚のソースに良く登場して、当店の料理には欠かせない酒のひとつです。
さらに、「トマト」「チキンブイヨン」を加えて一度沸かし「トマト」が煮溶けた状態になりましたら、「鶏もも肉」と肉汁を戻し、乾燥「タイム」をひとつまみ入れて、弱火で2分から3分煮て取り出し、冷めないようにラップをかけて温かい場所に置きます。
チキンブイヨン/フォン・ド・ヴォライユfond de volaille_フォンfondはソースのベースとなる「だし汁」のことで、(家禽の)鶏volailleのだし汁という意味になる。鶏肉・鶏ガラなどを水と香味野菜と一緒に煮込んで作る。


煮汁を強火で煮詰めてから、ザルで水分と固形に分け、固形のものを裏ごします。
こして残ったものも出汁に入れると美味しく使えます。


裏ごししたものと水分(液体)のものを鍋で混ぜ合わせて、味見をして塩・胡椒で味を整えます。
店では、これに生クリームやブランデーなどの酒を加えたものにしますが、今回はこのままソースとして使います。
ここに、「鶏もも肉」を入れて温め直して、温まれば出来上がりです。

皿に盛り、付け合せに本日は「ニンジン入りバターライス」を用意しました。
フランス料理では「米」は主食ではなく野菜のひとつとして扱います。
最後に粗くみじん切りにした「パセリ」をふり、「クレソン」を添えます。

トマトと白ワインビネガーの酸味と旨味がギュッと詰まった〈鶏肉の白ワインビネガー煮込み〉完成しました。ニンニクたっぷりでワインにもピッタリです。

  材料〈3人前

材料

鶏もも肉 3枚/塩、白胡椒(粗挽き)各適量/トマト 中2個/にんにく 2個/オリーブ油 適量/玉ねぎ(みじん切り)/白ワインビネガー 3/4カップ/ノイリープラット(ドライ・ベルモット)1カップ強/チキンブイヨン 1カップ/ドライタイム ひとつまみ/パセリ(みじん切り)適量

 

作り方

①鶏肉は余分な脂を除いて半分に切り、 塩、 こしょうをふる。トマトは皮つきのままざく切りに、 にんにくは皮つきのまま横半分に切る。
②フライパンにオリーブ油(大さじ1)を中火で熱し、 鶏肉の皮目を下にして入れ、 こんがりと焼き色がつくまで焼く。上下を返して1分ほど焼き、 バットに取り出す。
③フライパンにオリーブ油大さじ1 を足し入れ、 にんにくの断面を下にして入れ、 弱火で焼き目がつくまで焼く(途中で皮が焦げたものは苦いので除く)。中火にして玉ねぎを加えてさっと炒め、 軽く塩をふって玉ねぎが薄く色づくまで炒める。
④臼ワインビネガーを加えて強火にし、 汁気が2/3量になるまで2~3分煮つめる。ノイリー(※1)を加え、 煮立ったら1分ほど煮つめる。トマト、 チキンブイヨンを加え、 トマトを軽くつぶしながら全体がなじむまで2~3分煮る。
⑤ 弱火にして鶏肉を肉汁こ‘と戻し入れ、 タイムを加える。2~3分煮て全体がなじんだら鶏肉をバットに取り出す(肉が冷めないようにラップをかけておく)。強火にしてl /3量になってとろみが出るまで煮つめたら火を止める。
⑥鍋にザルをのせて⑤をこし、 具のかたまりは裏こ‘し器でこして入れる。中火で温め、 塩、 こしょうで味をととのえる。鶏肉を戻し入れて弱火で温め直す。
⑦器に⑥を盛りつけ、 パセリをちらす。好みでにんじん入りバターライス(※2)を添え、 クレソンを飾る。
※1ハーブやスパイスを漬けて風味づけした白ワイン
※2 にんじん入りバターライスは、 にんじんの粗みじん切りをバターでさっと炒めて、 米と炊いたもの。

鶏肉を柔らかく仕上げるため、途中で取り出すひと手間を惜しまない。
好みでソースに生クリームやブランデーを加えると、高級感ある味わいになる

 

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