「山さき」
山﨑美香
春のうま味を味わう。日本酒にぴったり
口伝
ハマグリと分葱のぬた和え
冬場から春先にかけて分葱がとても美味しくなります。
ハマグリを一緒に和えて春の香りのする料理になります。
合わせ味噌を作る
〝ぬた〟を作るにあたって〝合わせ味噌〟を用意しておくと便利です。
〝合わせ味噌〟を作っておきますと、酢を合わせれば〝酢味噌に、出汁で温めて風呂吹き大根などにかけても美味しく召し上がれ、刻んだゆずを入れて〝ゆず味噌〟にしたりと何にでも使えます。
〝合わせ味噌〟は一度作りましたら2・3ヶ月保ちますので、冷蔵庫に常備しておきますと便利ですので、多めに作っていただければと思います。
まず「八丁味噌」を「酒」に浸して30分ほど置いてふやかします。
「酒」に入れて溶く理由は、「八丁味噌」には細かい豆の粒が残っていて、口当たりが悪くなりますのでこれを取り除くためです。
鍋に「白味噌(西京味噌)」を入れて「八丁味噌」を茶漉しなどで漉しながら加え混ぜ合わせます。
混ぜ合わせすときに、箸を4.5本束ねって持って使うと、綺麗に混ざり合います。
「味噌」が混ぜ合わさりましたら「酒」「みりん」「三温糖/上白糖で可」、味噌にコクを出すための「練りゴマ」を入れて溶き合わせ、この鍋を火にかけます。
火加減は強火ですと焦げますので中火から弱火の状態で、気長に20分ほどかけて鍋底を掻き回すようにして練ります。
途中、熱を持ってフツフツとして跳ねたりしますと火傷をすることがありますので、注意してください。
目安としては、鍋の上に顔を寄せて「酒」の香りが無くなったら出来上がりだと思ってください。
途中、箸を木べらに替えて練り上げて、かき混ぜたときに筋が残り鍋底が見えるような状態にします。
「味噌」が焦げて焦げ臭が付いてしまうと取れませんので、焦がさないようにというのを第一に気を付けていただきたいと思います。
酢味噌を作る
「合わせ味噌」が練り上がりましたら、冷ましてから使うようにしてください。
「合わせ味噌」に「米酢」を混ぜて「酢味噌」を作りますが、酢も色々種類がありますので使い慣れたものをお使いになると良いと思いますが、必ず味見をしながら混ぜて、お好みの味になるようにしてください。
さらに「溶いたからし」を加えて「からし酢味噌」にします。
「からし」はダマにならないように、容器の側面を使って溶くようにしながら全体に混ぜ合わせると良いでしょう。
分葱とハマグリの調理
「分葱」を茹でますが、太くて火の入りにくい茎の方から葉先の方へと順に入れます。
茹で上がったものを水にさらし、完全に冷ましてから、根元を切り落として3〜4cmの長さに切ります。
この時、葉の部分には中にヌルヌルのぬめりが入っていますので、これが残ったままですと味が悪くなりますから、刮(こそ)ぐようにしてヌルヌルを取り除きながら切り分けます。
「はまぐり」は、鍋に入れて「酒」を鍋底5mmくらいの高さまで張り、蓋をして強火で火を入れて、口が開いたところで酒蒸しの状態となります。
「はまぐり」は殻から柱から身を外して、煮汁に入れて冷まします。
これは、熱いまま「ハマグリ」の身をそのままさらして固くなってしまうのを防ぐのと、味が逃げないようにするためです。
ボウルに「酢味噌」「分葱」「はまぐり」を入れて和え、皿に盛りつけます。
「ハマグリ」は適当な大きさのものがない場合は、食べやすい大きさに切って和えてください。
ハマグリと分葱の旨みをしっかりと引き出した〈ハマグリと分葱のぬた和え〉完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
ハマグリ 8個/わけぎ 1束 |
〈A〉 |
合わせ味噌(※) 大さじ3~4/米酢 大さじ2~3/溶き辛子 適量 |
合わせ味噌 |
西京味噌 350g/八丁味噌 大さじ1/酒 50ml |
〈B〉 |
酒 50ml/砂糖 大さじ1・1/2/みりん 大さじ2/白練りごま 大さじ1 |
作り方
【下準備】
・八丁味噌を酒で溶き30分置く
・ハマグリを酒蒸しにし殻から身をはずす
・わけぎを茹でる
① 合わせ味噌をつくる。鍋に西京味噌、酒で溶いた八丁味噌をこして入れ混ぜ合わせる。<B>を入れよく混ぜ、中火から弱火で20分ほど練る。粗熱をとり密閉容器などにいれて冷蔵庫で保存する。
② ゆでたわけぎは根元を切り、白い部分は3~4cm長さに切り、緑の葉の部分は中のぬめりを包丁の背などで押し出しながら3~4cm長さに切る。
③ ボールに<A> を混ぜ合わせ辛子酢味噌を作り、②、ハマグリを加え合わせ器に盛る。
◆材料は冷やしておく。
◆合わせ味噌に白ねりごまを入れるとコクがでる。八丁味噌をこ漉すのは粒が残っていたりするので漉して滑らかにする。
◆わけぎをゆでる時はたっぷりの湯で根元の方からいれてゆでる。
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