「山さき」
山﨑美香
口溶けのよいあんこと桜の香りが春を感じさせる
口伝
道明寺桜餅
「桜餅」は皮を焼いたものと、この「道明寺粉※」を使って作ったものの2種類あります。
※道明寺粉_もち米を水に浸してから干して粗めに挽いたもの
本日は「道明寺粉」を使ったモチモチとした「桜餅」を作ります。
「桜の葉」で包んで春の香りを楽しんでいただきたいと思います。
生地を作る
今回は、和菓子屋さんで使われている細かい「道明寺粉」を使いますが、粗いタイプのものでも作り方は変わりません。
ボウルに「道明寺粉」と「砂糖」を入れてざっと混ぜ合わせたら、「水」を加えてますが、この時水に溶いた「食紅」を数滴入れます。
「食紅」は、様子を見ながらお好みの色に調整して入れてください。
「道明寺」は蒸しながら火を通しますが、必ず蒸す前にふやかしてから使います。
混ぜ始めはシャブシャブと水っぽいものが、20分から30分経ちますと、水を完全に吸って硬くなります。
このように充分ふやけたものを使います、ふやけ方が不十分ですとシンの残った「道明寺」となってしまいます。
蒸し器に蒸気を通すクッキングシートを敷いて、広げるようにふやかした「道明寺粉」を入れます。
カタマリで置いてしまいますと、芯の部分に火の通りにムラが出てしまいますので、なるべく小分けにして広げた状態にしてから、強火で20分蒸します。
餡玉を作る
餡こは「こし餡」を使います。本日の分量は12個ほどですので、1個あたり17g(20gまでが適当)の「餡玉」を12個用意します。
「こし餡」は、使う前に「こし餡」を手にとって、空気を含ませるように揉み込みます。
「こし餡」の色ムラがなくなるように全体を揉み込んでから「餡玉」を作るようにします。
この作業をしますと「餡」が空気を含んで〝口どけ〟がすごく良くなります。「餡」を使ったおまんじゅうや和菓子を作るときには、必ずこの作業をします。市販の空気が抜けて保存されている「餡」の〝締まった状態〟が、こうやって揉みこむことで口どけの良い状態になります。
「餡」の色が均一になって、指で押して凹むぐらいの状態にして分量の「餡玉」にします。
桜の葉の塩抜き
「桜の葉」は、塩漬けされたものを使いますが、何種か種類があります。
今回は、色は良くないのですが食べても美味しい「桜の葉」を使います。緑色の強いものもありますので、どちらをお使いいただいても結構です。
塩漬けになっていますので、3回ほど水を替えながら塩を抜きます。
仕上げ
「生地」を蒸し始めてから20分経ちましたら、蒸し器からボウルに移します。
必ず蒸しムラがありますので、硬いところや柔らかいところがないように、搗くように揉み込んで、ひとかたまりにしながらムラをなくして均等にします。
「生地」が、手に持てるほどの温度になりましたら、手水を用意して手を濡らしながら「餡玉」と同じくらいの分量の「生地」を手に取り、手の中でもう一度「生地」を揉んで、硬さが均等かどうかを確かめます。
「生地」を円盤状に伸ばし、真ん中に「餡玉」を置いて、指で押し上げるような感じで「生地」で「餡玉」を包みます。
最後に口を締めてから、俵形にします。
「餡」が手につくと「生地」に混ざって出来上がりが綺麗でなくなりますので、1つ作ったら必ず布巾で手を拭いて、次を作ると良いと思います。
「生地」が冷めてからですと上手に包めなくなりますので、熱いかもしれませんが頑張って包んでください。
塩抜きした「桜の葉」はキッチンペーパーなどである程度水分を除きますが、乾いてしまうと「桜餅」を包む時にくっ付いてしまいますでの、多少濡れている状態にします。
また、「桜の葉」で包むときは、「桜餅」が冷めてから包まないと「桜の葉」がぴったりとくっ付いてしまいますので注意してください。
〈道明寺桜餅〉手軽に作れますので、旬の時期に作りたてを皆さんで召し上がってください。
材料〈12個分〉
材料 |
道明寺粉(※) 100g/水 120ml/砂糖 50g/食紅 適量/こしあん 200g強(1個17g×12個分) /桜の葉の塩漬け 12枚 |
※道明寺粉 もち米を水に浸して干して粗めにひいたもの
作り方
【下準備】
桜の葉の塩漬けは3回ぐらい水を変えながら塩を抜き水気を絞る
① ボールに道明寺粉と砂糖を入れて混ぜ、水を加え全体になじませる。少量の水でといた食紅を入れて混ぜ、20~30分ほど浸水する。
② 蒸し器にクッキングシートをしき、①を広げるようにのせ、強火で20分蒸す。
③ こしあんは手のひらでよくもみ込んで空気を含ませ1個17gのあん玉を12個作る。
④ ボールに蒸しあがった道明寺粉を入れ、つくようにひとまとめにする。少し冷めてきたら手水をつけながらあん玉と同じ大きさにとり、広げてあん玉を包む。
⑤ 道明寺粉が冷めたら桜の葉でくるみ器に盛る。
◆こしあんはもみ込むことによって空気がふくまれ口どけがよくなる。
◆蒸した道明寺粉をつつむときは熱いうちに包む。
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