「麻布長江香福筵」
田村亮介
じっくり焼いて甘みを引き出した春野菜で体が目覚める
口伝
野菜と桜えびの焼きサラダ仕立て
この御料理は、寒かった冬から、ようやく暖かい春になると、心も踊りうれしくなります。同じように、春野菜をたくさん体に摂り入れることで、体も気持ちも健康になるようなサラダにしてあります。
焼きサラダを作る
「ロメインレタス」を使いますが、この野菜は普通のレタスと違い、丸く結球することなく葉が真っ直ぐに伸びます。
「ロメインレタス」は、味がしっかりしており苦味もありますし、食感が強いです。
「ロメインレタス」を縦半分に切り、このまま焼きます。
フライパン※に、皮付きのまま半分に切り、強めの「塩」で茹で10分ほど茹でた「新ジャガイモ」を皮面を下にして入れます。
「ロメインレタス」を加え、弱火で焼き色をつけます。フライパンの中の具材は、あまり動かさずに焼き色をつけます。
※鉄製のフライパンは、充分に熱してから油をひき、油が温まったら余分な油を拭き取ります。テフロン加工のフライパンの場合はこの行程は必要ありません。
「新じゃがいも」の皮面に焼き色がつきましたら、裏返します。
「ロメインレタス」は食感がしっかりとありますので、表面に焦げ目をつけて余熱で食べるというイメージですので、クシャクシャになるほど焼かないでください。
弱火でじっくりジワジワと火を入れて「新じゃがいも」と「ロメインレタス」に焦げ目がつきましたら、「塩」を全体にふってフライパンから取り出します。
同じフライパンに、フサから取り出して薄皮を剥いた生の「空豆」をいれ、表面に香ばしさがつくまで、あまり動かさずに焼きます。
「空豆」は火の通りが早いので、サッと火が通りましたら、軽く「塩」をふって、取り出します。
皿に「ロメインレタス」を大きいまま盛り、「新じゃがいも」と「空豆」を散らします。
桜えびのソースを作る
野菜を焼いたフライパンをそのまま洗わずに使います。
フライパンに「えび油/海老の殻の香りのする油※」を入れて、「桜えび/生でも乾燥ものでも可」を入れます。
※えび油がない場合は、ねぎ油やピーナッツ油など香りのある油を使う。
「桜えび」の香ばしい香りがするまで中火で炒め、「長ねぎ」と「しょうが」のみじん切りを加え、さらに炒めて香りを出します。
香りが出たところで、「中華スープ」を注ぎ、強火にしてスープを煮詰めて「桜えび」の旨味を凝縮させてドレッシングとします。
スープが沸騰しましたら、中火にして半分の量になるまで煮詰めます。
半分の分量になりましたら、「塩」「酢」を加えます。さらに「山椒油/なければ山椒パウダー」を加えるとアクセントとなります。
煮詰まりましたら、皿に盛り付けた「焼きサラダ」にかけます。
冬のエネルギーを蓄えた栄養満点の食材を香り豊かにお召し上がりください〈春野菜と桜えびの焼きサラダ仕立て〉できました。
材料〈2人前〉
材料 |
新じゃがいも 4個/ロメインレタス 小1株/そら豆(薄皮をむく) 12粒/油 適量/塩 適量 |
(またはねぎ油、ピーナツ油) 大さじ1/桜えび(生または乾燥) 30g/長ねぎのみじん切り 大さじ1/しょうがのみじん切り 大さじ1/2/中華スープ(※1) 1/2カップ/塩 小さじ1/3/酢 小さじ2/山椒油(または山椒粉) 小さじ1/2 |
※1.中華スープは鶏がら、または豚と鶏のひき肉でとる。有塩の市販品を使う場合は表示よりも薄味にして塩分を調節する。
作り方
① 新じゃがいもは半分に切り、皮つきのまま塩ゆで(分量外)する。ロメインレタスは縦半分に切る。
② フライパンを熱して油をしく。皮目を下にしてじゃがいも、ロメインレタスを並べて弱火で両面に焼き色がつくまでじっくりと焼く。塩適量を振って取り出す。続けてそら豆をさっと焼き、塩適量を振って取り出す。
③ ドレッシングを作る。②のフライパンにえび油を熱し、桜えびを中火で炒める。香ばしい香りが立ってきたら、長ねぎ、しょうがを加えて炒め、香りを引き出す。中華スープを加え、半量になるまで煮詰める。塩、酢、山椒油で味を調える。
④ 器に②を盛り、③のドレッシングをかける。
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