たくさん作って作り置きができるフランス家庭料理の定番です
口伝
キャロットラペ
「キャロットラペ」は「にんじん」を使った惣菜です。日本で「にんじん」が嫌いというお子さんが多いと思うのですが、野菜なのに甘いというのが嫌いという一番の理由のようです。
フランスの野菜は日本の野菜とは違った甘味で、いくらでも食べられるという甘味を野菜自身が持っています。
今日は、フランスの「にんじん」に近付ける工夫として、「オレンジ」や甘味の補いに「レーズン」を加えるなどして、日本の「にんじん」独特の甘味を感じないように調理します。
ドレッシングを作る
ボウルにフランスでは一般的な酢の「白ワイン酢(ビネガー)/レモン汁でも可」、「砂糖」「塩」「白胡椒」を入れて混ぜ合わせます。
油には「砂糖」や「塩」が溶けにくいので、水分である「白ワイン酢」の段階で溶かし込みます。
ここに、酢の半分量の「オリーブオイル」を加えて混ぜ合わせれば、「ドレッシング」の完成です。
具材の下準備
200度のオーブンで6分間ローストした「くるみ」。そのままお使いいただいても良いのですが、トースターなどで少しローストするだけでも、「くるみ」の特徴をグッと引き出すことができます。
ローストした「くるみ」は手で細かく割っておきます。
「レーズン」はぬるま湯などでふやかしておきます。
そのままですと「レーズン」の食感だけが残ってしまいますので、柔らかくして使います。
「オレンジ」は、〝カルティエ/櫛形斬り※〟という方法で皮を剥きます。
※カルティエquartier_リンゴや洋梨などを縦4半分に切ること、または切ったもの。オレンジやレモンの皮を厚く剥き、果肉だけクォ包丁で切り出したものもこう呼ぶ。
「オレンジ」の両端を落として立てて、周りの皮を剥いて、実の内側の皮に沿って切り込みを入れて、果肉をめくるイメージで包丁を使うと、綺麗に取れます。
この包丁の使い方を覚えますと、グレープフルーツの皮を剥くのも楽しくなり、フルーツの皮を剥くことで、お子さんにたくさんフルーツを食べてもらえるようになります。
ピーラーなどで「にんじん」の皮を剥きスライスしますが、フランスではチーズ下ろしの粗めの面を使ってスライスします。
チーズ下ろしを使いますと、断面がザラザラになり「ドレッシング」が非常に絡みやすくなり、舌触りも食べ応えのある食感になります。
日本のご家庭には「チーズ下ろし」がなかなかないと思いますので、通常のスライサーをお使いいただいて構いません。
スライサーを使う場合、プロの料理人でも手を切ってしまうことがありますので、軍手を使うなどして怪我をしないようにご注意ください。
和える
ボウルの「ドレッシング」に刻んだ「野菜/にんじん・くるみ・レーズン・オレンジ」を入れて、手で混ぜ合わせて和えます。
今回のような「マリネ」という料理では、人の手でしっかり混ぜ合わせることが重要です。
手を使って「ドレッシング」をしっかり混ぜ込むという工程が必要です。
ゴムベラを使っても構わないのですが、美味しくなれという想いを込めて私は手で揉み込んで作っています。
このまま食べても構わないのですが、冷蔵庫に入れて一晩置くと、また風合いが変わってどんどん美味しくなります。
冷蔵庫で二週間くらい保存が可能なのですが、水気が出て薄くなりますので、水分を取り除きながらさらに揉み込んでうまく調整してください。
器に盛り彩りでパセリなどを振っていただきますと、ご家庭で楽しく食べていただける〈キャロットラペ〉の完成です。
材料〈作りやすい分量〉
材料 |
人参 2本/オレンジ 1個/クルミ 30g/干しブドウ 15g/パセリ 適宜 |
〈A〉 |
白ワイン酢(ビネガー) 大4/グラニュー糖 小1/塩 2g/コショウ 少々/オリーブオイル 大2 |
作り方
① Aを合わせドレッシングをつくる。
② オレンジは皮をむき果肉だけにする。
③ クルミは200℃のオーブンで6分ローストする。手で細かく割る。
④ 干しブドウはぬるま湯につけてふやかしておく。
⑤ 人参の皮を剥きチーズおろしやスライサーで細く切り①のドレッシングと和え、②③を手であえる。
⑥ そのままでも美味しいが一晩置くと味が染み込む。器に盛り付けパセリなどを飾って完成。
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