「キッチン」
鈴木珠美
手軽に本格的なベトナムの味をご家庭で
口伝
アサリのフォー
ベトナムでは「フォー」を牛肉や鶏肉で作るのがポピュラーなのですが、本日は家庭でも作りやすいように、「あさり」を使った「フォー」をご紹介します。
ベトナムでは「フォー」は外の専門店や屋台で食べられることが多く、あまり家庭で作られることがありません。
通勤や通学途中に屋台に寄ってフォーなどの朝ごはんを食べるというのが、ベトナムを含む東南アジアの食文化になります。
フォーを戻す
パスタやうどん、蕎麦はそのまま熱湯に入れて茹でますが、「フォー」を上手に茹でるには、1度「水」に30分から40分浸して戻してから茹でます。
熱湯でさっと茹で時間が20秒から30秒ほどで、もっちりとした食感に茹で上がります。
あさりスープを作る
「あさり」は、塩分濃度3%くらいの塩水で砂抜きをした後に、殻をこすり洗いしたものを用意します。
鍋に「サラダ油」と「にんにく」のみじん切りを入れてから火を点けて、「にんにく」の良い香りが出るまで炒めます。
香りがしてきましたら、砂抜きした「あさり」を入れてかき回して「あさり」全体に油が周りましたら、分量の「水」を注ぎます。
火加減を中火の強にしていただいて、アクが出てきましたらていねいにアクを取り除きます。
牛骨や丸鶏から作るスープは、長時間じっくり時間をかけて美味しくなるのですが、本日の「あさり」はご家庭でも手軽に旨味たっぷりのスープができます。
アクが綺麗に取れましたら、鍋に「塩」、旨味たっぷりの魚醤「ヌクマム」を加えます。
「あさり」に火が入りすぎると身が硬くなってしまいますので、調味料が溶けましたら火を止めて旨味たっぷりのスープの出来上がりです。
フォーを茹でる
30分ほど水に浸して「フォー」が白っぽくなり、手で折り曲げても折れない状態でしたら大丈夫です。ザルなどで水気を切ります。
「フォー」は多めに戻して水気を切り、ポリ袋などに入れておけば冷蔵庫で4日から5日ほど保存できます。
ご家庭に手付きのザルがあれば、一人前ずつ「フォー」を入れて、たっぷりの熱湯で透明になるまで20秒ほどお湯に潜らせるイメージで茹でます。
茹でた「フォー」の水気をしっかり切って、一人前用の器(どんぶり)に入れて、「万能ネギ」の小口切り、「赤玉ねぎ/普通の玉ねぎでも可」のスライスをのせます。
ボリュームを出すために、お好みで茹でたもやしなどを加えてもよろしいかと思います。
器に熱々の「あさり」の殻付きスープをたっぷり注げば出来上がりです。
〈あさりのフォー〉の完成です。お好みで「香菜」「レモン」「甘味のないチリソース」などを加えてお召し上がりください。
材料〈2人前〉
材料 |
フォー(乾燥) 160g/アサリ(砂抜きしたもの) 400g/赤玉ねぎ(薄切り) 1/6個/万能ねぎ(小口切り) 3~4本/にんにく(みじん切り) 小さじ1/サラダ油 大さじ1/ヌクマム 大さじ1・1/2/塩 小さじ1/2 香菜(1cm長さ) 2本/レモン(くし型) 1/4個/チリソース 適宜 |
作り方
① フォーは水に30~40分ほど浸す。
② アサリは殻をこすりながらよく洗う。
③ 鍋にサラダ油大さじ1とにんにくを入れ火にかけ、香りが出たらアサリを加えて炒める。
④ アサリの表面に油が回ったら、水4カップを注ぐ。煮立ってアサリの口が開いたらアクを取り、ヌクマムと塩で味を調えてスープを作る。
⑤ 別鍋にたっぷりの水を沸騰させ、フォーを1人前ずつ取手つきのザルに入れて20秒ほどさっとゆでる。
しっかり水気を切って、それぞれ器に盛る。
⑥ ⑤に赤玉ねぎ、万能ねぎを散らす。アサリごとスープを注ぎ、完成。食卓で香菜、レモン、チリソースをお好みで加え味を調える。
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