「ラ・タルタルギーナ」
濱崎泰輔
みんなで食べるとより美味しい!
口伝
ひなどりの香草ロースト
大胆に「ひなどり」を1羽使い、香草やニンニクを入れて焼くシンプルな料理です。
イタリアでは〝おもてなし〟として、大勢で料理を食べる習慣があります。
毎日のように、家族や友人などと大勢で食事をするという習慣があります。
私の体験の中でも、「ひなどりのロースト」を皆んなで囲んだ食卓が思い出深く、今でも脳裏に浮かびます。
大勢で食べる食事というは楽しいものです。
本日は1羽ですが、人数によっては5羽ぐらい使って作りますと、非常に楽しい料理になると思います。
ひなどりの処理
「ひなどり」の丸鷄は、スーパーなどでも手軽に買えるようになりました。
4人から5人で食べるのでしたら、800グラム程度のものを1羽用意します。
塊肉は基本的に、調理前に1時間から1時間半ほど置いて必ず常温に戻します。
常温に戻っていないと、火の入り方が不十分になり中が生っぽくなってしまいます。
まず、「ひなどり」の腕を後ろに回します。
お腹の中に「塩」を振って、枝付きの「ローズマリー」、皮付きの「にんにく」を詰めます。
今回香草の「ローズマリー」をお腹の中に入れましたが、この「ローズマリー」は店先の鉢で育てたものです。
香草というのは結構丈夫ですので〈バジリコ〉や〈ミント〉なども、ご家庭の鉢植えで無農薬の物を育ててみるのもよろしいかと思います。
1羽の塊肉というのは焼くと足などが広がってきて、中の肉汁がこぼれ出たり、見栄えが悪くなりますので、両足をタコ糸で結びます。
足を縛ったら、「ひなどり」全体に「塩」を振ります。
全体に「塩」を振りますが、肉の厚みに応じて、肉厚の部分には多めに「塩」を振るなどして量を調節します。
また塊肉の場合は、長くローストする中で「塩」が下に流れますので、多めに「塩」を振った方が美味しく召し上がれます。
あとは「オリーブオイル」を全体にかけ回して、手で刷り込みます。
これを耐熱皿に入れてオーブンで焼きますが、お好きな野菜を鶏の廻りに並べて焼いても美味しいローストが出来上がります。
お薦めなのは、カットした生の「じゃがいも」です。
「ひなどり」を220度のオーブンに入れて50分間焼きますが、20分ごとに取り出して、出た肉汁をかけながら焼きます。
ご家庭のオーブンレンジで作ることも可能です。
ローストの仕上がりですが、耐熱皿を傾けてお尻から出た肉汁に赤い血が混ざっていなければ焼き上がりの合図です。
50分経ち焼き上がりを確認しましたら、オーブンから取り出して休ませます。
付け合わせ/仕上げ
茹でた「じゃがいも」を適当な大きさにカットして、軽く色がつくまで素揚げし、よく油を切ってから「塩」を満遍なく振ります。
「ひなどり」と一緒に「じゃがいも」などをローストした場合は、そちらで結構です。
「ひなどり」の足のタコ糸を切り、耐熱皿に出た肉汁を全体に回しかけます。
流れ落ちた「塩」を含んで旨味を持った肉汁ですので、肉汁を全体にかけることで美味しい仕上がりになります。
赤い葉「トレビス」などと、素揚げした「じゃがいも」を全体におき、「レモン」を添えて盛り付けます。
ひなどりの旨味を丸ごとお召し上がりください〈ひなどりのロースト〉完成です。
材料〈4人から5人前〉
材料 |
ひなどり 1羽(800g)/塩 大さじ1/2/オリーブオイル 大さじ2/ローズマリー(生) 2枝/にんにく(皮つき) 2片/じゃがいも 2個/塩 適量/レモン 適量/トレビス 適量 |
作り方
【下準備】
・ひなどりの首、内臓をとって常温に戻しておく
・じゃがいもを皮付きのまま茹で、くし切りにする
① ひなどりのお腹に塩をふり、ローズマリー、にんにくを入れる。とりの手羽先を関節ごと背中の方に回すように整え、足はタコ糸でしばる。
② ①を耐熱皿に移し、肉の表面に塩をすりこみ、オリーブオイルを全体にかけよくすり込む。
③220℃のオーブンで50分ほど焼く。途中、何回か肉汁をかけるといい。
④ 付け合せをつくる。ゆでたじゃがいもを素揚げして、塩をふる。
⑤ ひなどりが焼きあがったら④を加え、レモン、トレビスを添える。
◆ひなどりに塩をするときは足のほうは肉厚なので塩を多めにする。
◆最初に形を整えておかないと足がひらいたりしてくる
◆丸どりでやくことによって全体がコーティングされ、肉汁も閉じ込められ、肉はしっとり、ジューシーに仕上がる。
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