「ラ・タルタルギーナ」
濱崎泰輔
シンプルな焼き方で肉の旨味をしっかり引き出す
口伝
イベリコ豚の香草グリル
現在、「イベリコ豚」は日本でも有名になりました。
スペイン産のこの豚は、放牧されながら、ドングリなど自然の餌を食べて育てられた健康な豚です。
(スペインで国に認証された豚のみにイベリコ豚の名称が使用できる)
日本でも当たり前のように食べられるようになり、身近な存在になったことを嬉しく思っています。
イベリコ豚の処理
「イベリコ豚」は、じっくり時間をかけてローストして食べるのが一番美味しいと思いますが、大変時間がかかりますので、本日は、それほど時間をかけなくても美味しくなる調理法をご紹介します。
まず、塊肉を3cmから4cmの厚さに切り分けます。これで7分から8分ほどのグリルになります。
これ以上薄くなりますと、短時間でも肉がパサつきやすくなります。
切り分けた「イベリコ豚」の両面に「塩」を満遍なく振って、「ローズマリー」を枝から下に引っ張って取ったものを散らせます。
さらに「オリーブオイル」をまわしかけて、揉み込み「塩」と「ローズマリー」の香りをつけます。
肉は常温に戻した方が、火の入りが良くなるので、冷蔵庫から出したばかりだったものは、この状態で10分ほど置いておきます。
さらに、香草がお好きな方は「にんにく」などを足したり、和風にしたければ「醤油」を垂らしてもよろしいかと思います。
グリルする
グリルパン(フライパンでも可)がしっかり温まったら、弱火で焼きます。
強火にしてしまいますと、中がレアのまま肉の表面だけが焦げてしまいます。
豚肉なのでしっかりと火を入れます。
グリルパンで焼くと、余分な脂が落ち、肉を動かしながら格子状の焼き目を付ければ、見た目にも美味しく焼きあがりますのでおすすめします。
オーブンに入れる前には、「イベリコ豚」を立てて側面も軽く焼きます。
バットなどに「イベリコ豚」を並べ、200度のオーブンに入れて4分から5分焼きます。
オーブンから取り出したら、バットにアルミホイルを被せて3分ほど休ませます。
肉を休ませることで、肉汁が落ち着いて、よりジューシーに仕上がります。
私の場合、肉のロースト状態は指で触ってみて判断しますが、オーブンに入れる前、休ませる前などに、その都度触ってみて、皆様もご自分の中で感覚を掴むようにするとよろしいと思います。
休ませた肉を再度グリルパン(フライパン)で温めます。
盛り付け
器のサイドに「トレビス」などのサラダを盛り、ローストした「イベリコ豚」をお好みの大きさに切り分けます。
盛り付けはダイナミックな方が美味しく見えますので、大胆に盛り付けます。
「粒マスタード」「レモン」を添えて、お好みで「イベリコ豚」の断面に「塩」を振り、「オリーブオイル」を回しがけします。
シンプルな焼き方で肉の旨味をしっかり引き出した、とってもジューシーな〈イベリコ豚の香草グリル〉できました。
材料〈4人前〉
材料 |
イベリコ豚ロース (3~ 4cm厚さ)4枚/ローズマリー 2本/塩 適量/オリーブ油 (EXV)適量 〈付け合わせ〉 |
作り方
① 豚肉に塩を少し多めに両面に振る。
② ローズマリーの葉をしごき、①にまぶし、オリーブオイルをかけマリネする。(常温に置いておく)
③ グリルパンを熱し、しっかり熱されたら弱火にし、②の肉を表面を焼き固めるように焼く。肉を動かしながら片面に格子状の焼き目をつける。側面の脂身も立てながら焼く。
④ 200℃のオーブンに③を入れ4~5分ほど焼く。
⑤ オーブンから取り出したらホイルをかぶせ3分ほど休ませる。
⑥ もう一度グリルパンにのせて温め食べやすい大きさに切る。
⑦ 器に野菜を盛り、切った肉をのせ、レモン、粒マスタードを添え全体にオリーブオイルをかける。野菜にはお好みのドレッシングをかけ完成。
◆肉 は、焼く前にしばらく常温におくと、火の入りがよくなる。
◆食べる時にお好みで肉の断面に塩をふる。
◆肉は、切る前に休ませることによって、肉汁が落ち着きージシューに仕上がる。
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