ほのかな酸味と爽やかな美味しさをお楽しみください
口伝
ナバッキムチ
「ナバッキムチ」というのは字の如く「キムチ」の一種ですが、広い意味では沢山あるキムチの中で「ムルキムチ(水キムチ)」のひとつです。
「大根」や「白菜」という材料をナバッ(四角)に切ることから名前がつきました。
本日の「ナバッキムチ」は色も赤くて綺麗で、とっても爽やかで一年中楽しめますので、皆さんが作りやすい作り方をご紹介したいと思います。
材料の下処理
「大根」は、皮を剥き3mmから4mmの厚さで、食べやすい大きさのひと口大の正方形(ナバッ)に切ります(色紙切り)。
「白菜」も同様に正方形に切ります。
別々のボウルに「大根」は重量の約2.5%、「白菜」は約4%の分量の「塩」をまぶします。
「白菜」は厚みにばらつきがあるために多めに「塩」をします。
「塩」は焼き塩や精製塩で、「ミネラル分の多い粒感のある塩」を使っていただいても結構です。
「大根」「白菜」ともに、ラップをかぶせてから皿などを軽い重しにしてのせ、「塩」が良くまわるようにします。
「白菜」と「大根」は、30分ほどして水が出てきたら一度ひっくり返して、さらに20分から30分しんなりするまで置きます。
ナバッキムチの汁を作る
韓国産の「粉唐辛子」を〝お茶パック〟に入れて、大きめのボウルに分量の水を数回に分けながら入れて、水の中でお茶パックを揉んで、「粉唐辛子」を溶かして赤い汁を作ります。
昔は晒しを使いましたが後処理が大変ですので、今はお茶パックを使います。
この時「お茶パック」は、強く揉むと破れてしまいますので、優しく揉むようにします。「ナバッキムチ」は、この赤い汁が綺麗で喜ばれるキムチです。
「粉唐辛子」の量はお好みで調節してください。お茶パックを揉む時間は頑張りすぎても破れてしまいますので、ほどほどの加減にしてください。
ここに、お湯に溶かした「塩」と「砂糖」を加えまて良く混ぜます。
「大根」と「白菜」がしんなりしたら、「ナバッキムチの汁」に塩漬けしたときに出た汁も一緒に入れます。
さらに、同じ長さに揃えて千切りにした「赤唐辛子」「生姜」「にんにく」「長ねぎ」を入れて静かに混ぜ合わせます。
最後に「三つ葉/芹など」を入れますが変色しやすいので、ある程度発酵が進んでから入れるようにします。
「大根」「白菜」に入れた塩分がすぐには汁と一体にはならないのですが、一度ここで味を見ます。
通常のスープなどのちょうど良い塩分では、発酵する前に腐ってしまいますので、この時点では少し塩っぱいくらいがちょうど良い塩加減になります。
この「ナバッキムチ」の美味しさは、まろやかに発酵した汁の酸味や爽やかなのどごしを、楽しむことにあります。
具よりもむしろ汁を楽しむキムチです。
「ナバッキムチ」は密閉容器に入れて、私の場合冬場には2日から3日北側の外に出してから冷蔵庫に入れたり、暖かい季節でも1日は常温に置き発酵を促してから冷蔵庫に入れるなど工夫して保存します。
出来てすぐの「ナバッキムチ」は塩味が勝っていますが、一週間経ったものは塩気を感じることなくまろやかに丸くなっています。
食べ頃はお好みで、酸味を強くしたい場合は一ヶ月置いたりもします。
また、サラダぽくいただく場合には、2日から3日で美味しくいただけます。
いろいろ発酵具合の味を見ながら「ナバッキムチ」を楽しんでください。
二日酔いの朝などには、体にとても良いキムチです。
大根と白菜を発酵させたスープを楽しむ〈ナバッキムチ〉ほのかな酸味と爽やかな美味しさをお楽しみください。
材料〈作りやすい分量〉
材料 |
白菜(中ほどの部分)賞味300g/塩(白菜の分量の4%)12g/大根 正味500g/塩(大根の重量の約2.5%)12g 長ねぎ 6cm/ニンニク 1片/生姜 1片/赤唐辛子 1本/三つ葉(または芹)20g |
〈A〉水キムチの汁 |
ミネラルウォーター 2リットル/塩 大さじ2/砂糖 大さじ1/粉唐辛子(韓国産)お茶パック用 大さじ2 塩 お好みで調整 |
作り方
① 白菜はひと口大の色紙切りにし、茎と葉をおおまかに分けておく。まず、茎を分量の6~7割の塩で和え、そこに葉と残りの塩も加え、全体をまんべんなく和え、皿などをのせて軽く重石をする。(30分くらいしたら一度返して、さらに水気が出てくるまで30分位おく。)
② 大根は皮をむき、3~4㎜厚さで白菜と同じくらいのひと口大の色紙切りにし、分量の塩で和え、①と同様にする。
③ <具の準備>長ねぎは外側の部分を2~3㎜長さの白髪に切る。にんにく、しょうがも千切りにする。赤とうがらしは縦半分に切って種を取り除き、3センチ長さの千切りにする。
④ <Aを作る>ミネラルウォ-タ-2リットルのうち1カップ程を熱湯にし、塩、砂糖をとかしておく。
⑤ ④の残りの水の中で、お茶パックに入れた「粉とうがらし」を、軽くもみだし、汁を赤く色づけし、④も混ぜておく。
⑥ ⑤に①、②を汁ごと入れ、③の具も加える。静かに全体を混ぜ、汁の塩気を確かめる。ここで薄ければ塩を足す。(少ししょっぱいくらいにする。)
⑦ 密閉容器に移し、半日ほど常温で、その後は冷蔵庫で保存する。(冬場なら1~2日ほど外に出しておいてもよい)
⑧ ほどよく発酵したら(1週間~10日で少し酸味がでてきたくらいが食べ頃)、2~3センチに切った三つ葉を加える。器に盛り付け、汁ごといただく。
◆野菜を漬け込む塩に粗塩は向かず、焼塩や精製塩が好ましい。
◆野菜を塩漬けにしたあとに出てくる水分も一緒に入れるので、漬け込む塩の塩分濃度はきちんと計算する
◆サラダのように食べる場合は2日から3日漬け込んだものでも美味しい
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