「キッチン」
鈴木珠美
たっぷりのゴマとコブミカンの香りを楽しむ ホットサラダ
口伝
たけのこのホットサラダ
この料理はベトナム中部フエ地方のサラダで、ポイントは「たけのこ」と「豚肉」を炒めてさらにたっぷりの「ゴマ」と東南アジアではポピュラーな「コブミカンの葉」の香りを楽しんでいただくサラダです。
具材の下処理
「コブミカンの葉」は二つ繋がっていてこれで一枚と数えます。
葉の葉脈を取り除いて、なるべく細く刻みます。
「豚の肩ロース肉」の薄切り肉を「たけのこ」と同じくらいの太さの千切りにしてボウルに入れて「ヌクマム」「砂糖」「粗びき黒こしょう」を加えて肉全体に下味がつくように混ぜ合わせます。
えびせんを揚げる
付け合わせの「えびせん」を170度から175度の高めに熱した油で揚げます。
高温で揚げると上手に「えびせん」が膨らみますが、揚げ油が低温ですとうまく広がりません。
ベトナムではサラダにこの「えびせん」を付け合わせにしますし、子供達のおやつとしてとても親しまれています。
「えびせん」が、白くふわっと三倍くらいになりましたら、サラダを乗せやすいようにトングなどで平らにして揚げます。
「えびせん」は東南アジアの食材店や大手スーパー、またはネットなどの通販でお求めになることができます。
「えびせん」は多めに揚げて乾燥剤を入れて保存しておけば1週間くらい日持ちしますので、ビールのおつまみやお子様のおやつに喜ばれると思います。
ホットサラダを作る
フライパンに「にんにくのみじん切り」「赤玉ねぎのみじん切り/白玉ねぎでも可」「サラダ油」を入れてから火を点けて香味野菜の香りを移します。
最初は強火にして「にんにく」「赤玉ねぎ」から泡が出てきましたら中火にします。
香味野菜の香りが出てきましたら、下味を付けた「豚肩ロース肉」を入れて炒めます。
「豚肩ロース肉」に完全に入りましたら、千切りにした「たけのこの水煮」を加えます。
「たけのこ」に油が回りましたら「ヌクマム」「シーズニングソース/大豆から作ったベトナムの醤油」「砂糖」を入れて全体に調味料が馴染むまで炒め合わせます。
ベトナムにはサラダの文化が根付いていて生の野菜をたっぷりと食べますが、今回のようなホットサラダは中部のフエ地方にあるくらいです。
春先には美味しい「たけのこ」が出てきますのでぜひご家庭でも試していただきたい料理です。
全体に味が馴染みましたら、たっぷりの「白入りゴマ」と「コブミカンの葉」を散らして全体的に均一になるように混ぜます。
「コブミカンの葉」を入れますと、シトラス系の爽やかな香りがします。
コブミカンの香りとたけのこ、ゴマ、えびせんの色々な食感を楽しめる温かいサラダ〈たけのこのホットサラダ〉の完成です。
材料〈2人前〉
材料 |
豚肩ロースうす切り 100g/サラダ油 大さじ1/にんにく 小さじ1/赤玉ねぎ 大さじ2/たけのこ水煮 90g/白ごま 大さじ2/コブミカンの葉 1枚(2g)/えびせん 適量/揚げ油 適量 |
〈A〉 | ヌクマム 小さじ1/2/砂糖 2つまみ/黒こしょう 少々 |
〈B〉 | シーズニングソース 小さじ1/砂糖 小さじ1/2/ヌクマム 小さじ1 |
作り方
【下準備】
① 豚肩ロースうす切りは細切りにし<A>で下味をつける。
② たけのこ水煮は千切り、コブミカンの葉は、葉脈を除き千切りにする。
③ にんにく、赤玉ねぎは、みじん切りにしておく。
① 鍋に揚げ油を170℃~175℃に熱しえびせんを揚げる。
② フライパンにサラダ油、にんにく、赤玉ねぎを入れ火をつけ弱火で炒める。
③ 香りが出てきたら、【下準備】①の豚肉を加え、中火にして肉の色が変わったら、たけのこを入れさらに炒め、<B>を加え全体に混ざったら、白ごま、コブミカンの葉を加えさっと炒める。
④ 器に盛り揚げたえびせんを添え、えびせんにのせていただく。
◆コブミカンの葉は葉脈は固いので取り除いてから使うといい。コブミカンの葉は冷凍保存できる。
◆シーズニングソース_大豆を原料にしたタイをはじめアジア全般で使われている調味料。日本で例えるとたまりしょう油のような感じで旨味とコクがあり、ナンプラーほど独特のくせもなく炒め物などによく使われます。
料理塾