「ヒカリヤ」
髙橋有希
具だくさんのごちそう茶碗蒸し
口伝
茶碗蒸し
具沢山の「茶碗蒸し」を作りたいと思います。
今回は、たけのこ、よもぎ麩など春の食材を使いましたが、季節ごとの旬の食材を使い、素材の旨みを活かしたシンプルな味付けで作ります。
折々の「茶碗蒸し」をお楽しみください。
食材の下処理
「たけのこ」は、根元の部分は〝煮物〟や〝炊き込みご飯〟に、姫皮の部分も〝炊き込みご飯〟に向いていますので、真ん中の歯ごたえのちょうど良い部分を今回の「茶碗蒸し」に使います。
「たけのこ(水煮)」を食べやすい大きさに切ります。
「椎茸」は四等分にします。
鍋に「たけのこ」「椎茸」「銀杏の水煮」を入れて、「出汁」を加えて煮ながら下味をつけます。
火加減は沸くまでは中火で、沸いたら弱火にしてから、「醤油」「みりん」を加えて2分から3分煮てから火を止めて粗熱を取り冷まします。
「三つ葉」を2cmから3cmの幅に切り、「よもぎ麩(餅でも代用可)」を適当な大きさに切り分けます。
「鶏モモ肉」を1.5cm角に切ります。
「海老」の背ワタを取ります、背ワタを取らないと砂が混じっていたり、苦味がありますので完全に取るようにしてください。
鍋の沸騰した湯に「海老」を入れてすぐに火を止めて、余熱で30秒から40秒茹でます。
余熱で火を入れることでプリッとした食感になりしたら、取り出して殻をむきます。
鍋の火を消したままの湯に「鶏モモ肉」を入れて表面が白くなるまで霜降りをします。
霜降りをすることで、肉の生臭さを取る効果があります。
霜降りした「鶏モモ肉」に「薄口醤油」を加えて揉むようにして下味をつけます。
出汁を作る
ボウルに「卵」を入れてホイッパーを横に動かして、空気を入れないように軽く混ぜ合わせます。
混ぜすぎると「茶碗蒸し」にコシがなくなってしまいますので、「卵」が溶ければ大丈夫です。
ボウルに「カツオと昆布でとった出汁(市販の出汁でも可)」を入れ、「茶碗蒸し」が濃い色にならないように「薄口醤油」を入れ、「みりん」を加えてから軽く混ぜ合わせて、ザルなどで濾します。
ザルなどで濾すことにより口当たりが滑らかな出来上がりになります。
蒸す
器に、下味をつけた「たけのこ」「椎茸」「銀杏」の水気を切ったものを並べ、他の食材も入れます。
「海老」の赤い色が見えた方が綺麗に仕上がりますので上の方に置いたりと、彩りが豊かになるように盛り付けてください。
「茶碗蒸しの出汁」を具材が入った器に注ぎます。
蒸し器に器を置き、「さらし/新聞紙やクッキングペーパーでも可」を被せて器に水滴が落ちないようにします。
蒸し器の蓋をしてから強火で1分、弱火で6分から8分ほど蒸して、「茶碗蒸し」の表面がドロドロ動かなければ蒸しあがりですが、念のため竹串を刺してみて透明の汁が出てこなければ出来上がりです。
器の大きさや厚さによって蒸し加減が変わってきますので、調節しながら蒸すようにしてください。
旬の食材の食感をそのまま楽しめる〈茶碗蒸し〉完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
鶏もも肉 1/3枚/薄口しょうゆ 少々/えび 4尾/よもぎ麩(1.5cm角) 4個/三つ葉 1/3束 |
〈A〉卵液用 |
卵 3個/出汁(かつお・昆布) 450ml/薄口しょうゆ 大さじ1/みりん 小さじ2/たけのこ(水煮) 1/4本/ぎんなん(水煮) 8個/しいたけ 1枚 |
〈B〉下味用 |
出汁 適量/しょうゆ 少々/みりん 少々/鶏もも肉 1/3枚/薄口しょうゆ 少々 |
作り方
① 鍋に食べやすい大きさに切ったたけのこ、4等分に切ったしいたけ、ぎんなんを入れ<B>の調味料で煮て下味をつける(粗熱をとる)。えびは背ワタを取り30~40秒ゆで、殻を取る。鶏肉は1.5cm角に切って霜降りし、しょうゆで下味をつける。三つ葉は洗って、2cmに切る。
② 卵3個を泡だて器でときほぐし、<A>卵液用の調味料を入れ、ざるでこす。
③ 器に具材を全て入れ、②を流し入れ、サラシなどをかけ、強火で1分、その後弱火で6~8分蒸して完成。
◆海老をゆでる時は、沸騰したら火をとめてから海老を入れると固くならない。
◆出来上がりの目安は、竹串を刺して透明な液が出て、器を動かしてもずれなければ完成。
料理塾