冬至_令和2年12月21日から令和2年1月4日まで
冬至_冬に至り、一年で最も宵闇が長い時期となりました。
〝冬至梅〟はこの短い昼の時候に花を咲かせる梅です。
ほとんどの梅は早春に咲きますが、〝冬至梅〟は一足先に白い花をつけます。
特に、積雪の中に咲く白い梅の花は、静謐な空間を冬景色に描きます。
また、この寒い時期に羽毛をふくらませて縮こまっている雀の姿を〝ふくら雀〟と云います。
小さな雀が厳しき寒さに耐え忍んで春を待つ姿は、われわれ人にも気力を与えんとしている様にも感じます。
特に今年の「コロナ禍」の下においては雀の姿に倣うべきでしょう。
千両・万両
この時期から出回り、正月飾などに使われるものに「千両」「万両」があります。
「千両」は赤い実が葉の上につき、「万両」は赤い実が葉の下につくので見分けますが、私はすぐに忘れてしまって、いつも迷ってしまいます。
「万両」の方が「千両」よりもその実が重いため葉の下につく、ゆえに価値の大きな「万両」と呼ぶと覚えると良いのだそうですが、実際に実の重さが違うのかどうかはわかりません。
「百両」「十両」と呼ばれるものもあり、「百両」は〝唐橘(からたちばな)〟「十両」は〝薮柑子(やぶこうじ)〟の別名です。
ともに「千両」「万両」よりも丈が低く赤い実の数が少ないというのが呼び名の理由だそうです。
などと、つらつら思いながら熱燗をちびりちびり呑るのがたのしい時候ですので、酒の肴を特集します。
日本料理特集「熱燗が旨い肴理」野﨑洋光編と山﨑美香編、の2本立です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹