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日本料理 野﨑洋光 料理の時候 通年料理

筑前煮

「分とく山」
野﨑洋光

出汁いらず!ひとつの鍋で作る理想的な家庭料理

口伝

筑前煮

根菜とタンパク質の肉を一つの鍋で仕上げるというのは、理想の家庭料理だと思います。
たくさんの料理を作るのではなくて、ひとつの鍋で作るわけですから「けんちん汁」や「筑前煮」のようなものは、全国津々浦々にあります。
電気やガスのない時代に薪ひとつで調理をする、完結するための方法として、日本人の考えた知恵の料理だと思います。
本日はこれを現代風に美味しく作る方法をご紹介します。
大事なことは煮上がった時に、食材が同じ状態で煮上がっているということです。
煮方を間違えてしまうと、食材によって硬いものと柔らかいものが出ないように、煮方を考えながら調理します。

具材の処理

「里芋」は、煮崩れしやすいので大振りに乱切りします。
「にんじん」も火が通りやすいので、大振りの乱切りにします。「にんじん」は、皮に美味しさがありますので皮付きのまま使います。
「れんこん」は、火が通りにくいので、乱切りではなく薄切りにして「里芋」や「にんじん」と同じ時間で火が通るようにします。
「ごぼう」も同じく火が通りにくいので、斜めの薄切りにします。
「しいたけ」は軸を取るだけでそのまま使います。
「鶏肉」は、ひと口大に切り分けます。
一般的には「鶏肉」と「野菜」を油で炒めてから煮ますが、それですと「鶏肉」が不味くなってしまいます。
煮る時「鶏肉」は一番最後に入れます。
「こんにゃく」はスプーンでちぎります、こうすることで断面積が広くなり味が沁み込みやすくなります。
「絹さや」は、筋を取ってから茹でます。茹でる目安は「絹さや」が少しふっくらとして来たなと思う頃に取り出します。
膨れ上がってしまいますと、火が通り過ぎですので、その手前で取り出します。

次に同じ鍋の湯に、「しいたけ以外の野菜」と「こんにゃく」を金ざるに入れて、アク抜きのために1分から2分湯に浸して茹で、「しいたけ」を最後に入れてください。
「野菜」と「こんにゃく」を取り出したら、次に「鶏肉」を入れて表面が白くなるまで茹でる〝霜降〟りします。

煮る

鍋に霜降りをした「野菜」と「こんにゃく」を入れて、「水」と、水の分量の1/8の「醤油」「みりん」、水10に対し0.5の割合で入れます
本日は「水/400ml」に対し「みりん/50ml」「醤油/50ml」「砂糖/20g」をいれます。
「醤油」は、「薄口醤油」と「濃口醤油」を半々入れます。
「濃口醤油」だけですと仕上がりが黒くなってしまい、「薄口醤油」だけだと少し味がもの足りません。よく味付けは「さ・し・ず・せ・そ」と云われますが気になさらず入れてください。

落し蓋をして煮ます。落し蓋はその重さで煮汁の対流を起こし、味を沁み込みやすくするためです。
落し蓋は、アルミ箔などで代用しても、重みがないので役に立ちません。その場合はアルミ箔の上に皿を置くなどしてください。

一般的に「野菜」と「鶏肉」を油で炒めて、「出汁」で煮ると云われますが、肉に火が通り過ぎてしまって不味くなります。
肉を食べる時に大事なのは、肉の中心に火が通った時が煮上がりです。
味を染み込ませると云いますが、肉は煮れば煮るほど固くなって不味くなります。

「鶏肉」が本来持つ旨味があります。「野菜」も根菜の持つ旨味が出汁となります。
出汁で煮てしまうと、もともと出汁というのは完成されているものですので、それを煮詰めるというのは正しいことではないと思います。
煮汁が詰まってきた時に、ちょうど良い状態にすることが大事になります。

もし冷蔵庫に「ネギの頭の青い部分」がありましたら、鍋に入れますと甘みが出て美味しくなります。
煮ますと泡に濃度の濃さの差が出てきますが、これが出汁が出ている証拠です。アクをすくいながら、竹串などで野菜の硬さを確認します。
野菜に竹串が通るようになりましたら、「ネギ」を取り出して、ここで「鶏肉」を入れます。

「鶏肉」を入れて2分から3分煮れば出来上がりです。
肉に煮汁を絡ませるだけで、ボソボソせずジューシーに仕上がります。
そして「野菜」は、同じ時間煮て、同じように火が通って仕上がるように、材料を切ることが大事です。
「絹さや」を入れて完成です。
何度でも食べられる飽きのこない〈筑前煮〉完成です。

材料〈作りやすい分量〉

材料

鶏モモ肉  1/2枚(約150g)/里芋(小)  4個/人参  1/2本/蓮根(小)  1/2本/こんにゃく  1/3枚/ゴボウ  1/3本分/椎茸  4枚/絹さや  8枚/長葱の青い部分  適量

〈A〉

  400cc/薄口醤油  25cc/濃口醤油  25cc/みりん  50cc/砂糖  20g

作り方

① 里芋は皮をむいて大きめに切る。にんじんは皮を剥かずに大きめの乱切りにする。
蓮根は縦2つに切り5㎜の厚さに切る。牛蒡は3㎜厚さの斜め切り、椎茸は軸を取る。鶏モモ肉は一口大に切る。こんにゃくはスプーンでちぎる。絹さやは筋をとる。
② たっぷりのお湯を沸かし、絹さやをさっと茹で水にとる。次に①の野菜を鍋に入れ、1~2分茹でて霜降りをしてボウルにあける。(椎茸は最後に入れてさっとゆでる程度)
鶏肉もお湯にサッとくぐらせ霜降りをして水におとし、水気を切っておく。
③ 鍋に②の野菜、水、(a)、葱の青い部分を入れ、落し蓋をして火にかける。
煮立ってきたらアクをとり野菜に火が通るまで煮る。
④ 葱を取り出し、鶏肉を加え2~3分程煮る。
⑤ 器に盛り付け、彩りとして色よく茹でた絹さやを散らす。

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