野﨑洋光
大根の皮と葉を無駄なく使った、ごはんが進む常備菜
口伝
ぶり大根
シンプルが一番美味しいのです。素材の持っている味が一番飽きない味になります。
家庭は家庭の極上の味を求めてください。
炒り煮
冷たいフライパンに、油をひかないで「豚肉」を並べ火をつけます。
少し肉に火が通りましたら、引き上げます。
こうすることで、肉質が柔らかく美味しく仕上がります。
豚肉の旨味がフライパンの中にありますので、ここに「大根の皮」を入れて味を絡めます。
ゆっくり炒めて透き通るまで、最初中火でそのあと弱火にして、じくり火を入れます。
「大根の皮」は〝酵素〟の宝庫です。
アブラナ科の食物は、身の内側の筋の部分と皮の間に〝酵素〟を多く含んでいます。
この〝酵素〟をうまく利用すればサプリメントを飲む必要は無くなります。
なるべく「大根の皮と葉っぱ」を食べてください。
「大根の皮」が透き通りましたら「大根の葉」を入れて軽く炒めたら、分量の半分の「醤油」を入れます。
こうすることにより、浸透圧で水分が出ますので出汁も何も必要ありません。
「大根」から出てくる汁が旨味の元となります。
弱火にして蓋をしますと、水分が出てきてしっとりします。
「大根の葉と皮」がしっとりしたら、「豚肉」を戻して、残りの分量の「醤油」を加えからめます。
料理は、たくさんの調味料を使わず、調味料をできるだけ少なくして、素材の旨味で食べてください。
最後に「七味」を入れて混ぜ合わせて、温まれば出来上がりです。
栄養価の高い大根の皮と葉を捨てずに作る〈豚大根の炒り煮〉丼にしてもとても喜ばれます。
材料〈2人前〉
材料 |
大根の皮(厚め)150g/大根の葉 100g/豚バラ肉(薄切り)150g/しょうゆ 小さじ5/七味唐辛子 適宜 |
作り方
① 大根の皮は長さ5㎝、厚さ5㎜程度の拍子木切りにする。大根の葉は、葉元に近い方を幅1㎝の小口切りに、葉先に近い方を3㎝幅のざく切りにする。豚バラ肉は4㎝長さに切る。
② 冷たい状態のフライパンに豚肉を並べ、弱めの中火にかける。さっと両面を焼いて取り出す。
③ ②のフライパンに残った油で大根の皮をさっと炒め、蓋をする。ときどき混ぜながら、透き通ってくるまで炒める。大根の葉元に近い方を加え、さっと炒めたら残りの大根の葉を加え、さっと炒める。しょうゆの半量を加えて炒め合わせ、蓋をして、ときどき混ぜながら、大根がやわらかくなるまで火を通す。
④ ③に②の豚肉を戻し入れ、残りのしょうゆを加えて炒め合わせる。全体に味が回ったら、お好みで七味唐辛子を振って火を止める。
◆豚肉を炒める際は油はひかず、豚自体から出てくる脂で炒める。
◆しょうゆは2回に分けて入れる。1回目で塩分による浸透圧で大根から水分を引き出し、2回目で味と香ばしさをプラスする。
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