子どもにも大人にも人気のメニュ-
口伝
ゆで豚(チェユッ)
「ゆで豚」を作りましょう。韓国で「ゆで豚」は、とても一般的な人気のある料理です。
「ゆで豚」の部位は、お好みもありますけれども、〝バラ肉〟であったり〝ロース肉〟を使います。
私は、三層や皮付きの五層になっている「豚肉」を使いますので、皆様にもお勧めします。
韓国で「ゆで肉」は「チェユッ」と呼びます。
豚肉を茹でる
本日は600gの「豚肉」を使いますが、同じ600gでも幅や大きさ、厚みが違ってくると思います。
茹でる前の作業には色々な方法がありますが、本日はその中のひとつをご紹介します。
「豚肉」の両面を表面だけでなく、グサグサと身の中にまでフォークを満遍なく刺します。
フォークで刺すことによって、火が通りやすく下味も染みやすくなり具合が良くなります。
本日は2本の「豚肉」を茹でますが、普段は5本くらい一度に茹でることがあります。
フォークで穴を開けましたら、両面に「塩」「胡椒」をまぶし、手で叩いて馴染ませ「塩」「胡椒」が落ちてしまわないようにします。
フライパンに「ごま油」を熱して、「豚肉」の必ず脂面から強火で焼き、裏面、両側面も焼きます。
フライパンを熱する前に鍋に湯を沸かしておくことです。
「豚肉」は最近スーパーなどでも塊肉で売られていますので、ぜひ塊でお求めください。
火加減は〝弱火〟ですと意味がありません、必ず〝強火〟で表面を焼いて旨味を閉じ込めるようにします。
本日のように薄い厚みの「豚肉」の場合は、フライパンの縁を使って火を入れます。
「豚肉」に火が入りましたら、油面を上にして鍋の熱湯に入れます。「豚肉」は、スープを取るわけではないので、必ず熱湯の中に入れます。
火加減は、茹で汁が踊るくらいの火加減としてください。
「豚肉」が茹で汁の表面より浮くようでしたら、鍋の蓋ではなくクッキングシートを切って被せるようにします。
茹で時間は、肉の大きさや厚みによって違いますが13分から18分が目安です。
茹で時間に大きく関わるのが脂身の厚みです。脂身が厚ければ厚いほど茹でるのに時間がかかります。
「豚肉」の分厚い部分に竹串を刺して、血が混じった肉汁が出なければ茹で上がりです。
火を止めて鍋の茹で汁ごと、粗熱が取れるまで置いて余熱で火を入れます。
余熱が入りすぎる場合もありますので、完全に冷めるまで入れるかどうかは、状態を見てから決めてください。
状態の見極めは、何度か作りながら感覚を掴むようにしてください。
鍋から「豚肉」をバットなどに取り出したら、上からペーパータオルを被せて、茹で汁を上からかけ「豚肉」がパサパサにならないように冷まします。
2種類の付けダレ(ヤムニョム)を作る
付けダレは、醤油ベースの「ヤンニョム・カンジャン(醤油)」と韓国では一般的なアミの塩辛(※)ベースの「セウジョッ(アミの塩辛)ヤンニョム」の2種類を作ります。
※アミの塩辛_小さなエビを塩漬けにした発酵調味料
まず「ヤンニョムカンジャン」は、ボウルに「醤油」「すり下ろしたニンニク」「すりごま(ケソグム)※」「粉引きの唐辛子」「ねぎのみじん切り」を加えて混ぜ合わせます。
※白ごまを炒って塩を加えてから摺鉢で摺ったもの
次に「セウッジョッ・ヤンニョム」は、ボウルに「アミの塩辛」「青唐辛子」「ねぎのみじん切り」、少しゆるくするために「水」を加えてかき混ぜます。
韓国では何にでも赤い「ヤンニョム」を作るというわけではなく、「豚肉」の旨味を味わうためには「セウッジョッ・ヤンニョム」で食べることが多く、中には「アミの塩辛」を直接「豚肉」に乗せて食べる人もいるくらいです。
ゆで豚を切る
「ゆで豚」は、ベーコンと同じだと考えてください。決して肉の層に対して逆方向に切らず、断面が肉の層と同じ流れの方向に切るようにします。
豚の脂を嫌う方が多いですが、この「ゆで豚」の脂はとても美味しいので、是非召し上がってください。
器に「ゆで豚」を盛り付け、2種類の「ヤンニョム」を添えて出来上がりです。
豚肉の旨味をシンプルに閉じ込めた〈ゆで豚〉です。
2種類のヤンニョムと一緒に美味しく召し上がってください。
材料〈作りやすい分量〉
材料 |
豚バラかたまり肉(常温) 2本(約1.2kg)/塩、黒こしょう 適量/ごま油 適量 |
<A>ヤンニョムカンジャン |
しょうゆ 大さじ3/すりごま 小さじ2/粉とうがらし(韓国産) 小さじ1/おろしにんにく 小さじ1/2/ねぎ(みじん切り) 少々 |
<B>アミ塩ヤンニョム |
アミの塩辛 大さじ2/水 大さじ1~/青とうがらし(みじん切り) 1/2本/ねぎ(みじん切り) 適量 |
作り方
① 鍋にたっぷりの熱湯を沸かしておく。
② 豚バラ肉にフォークでまんべんなく穴をあける。
両面に塩、こしょうをふり、手で軽くたたいてなじませる。
③ フライパンでごま油を熱し、豚肉を脂身のほうから強火で焼く。
肉全体にほどよく焼き色がついたら、①の鍋に脂身を上にして入れる。
④ 水面が踊る位の火加減で、ふたはせずに15~18分ほど茹でる。
※途中表面が乾かないようクッキングシートをかぶせる。
⑤ 肉の厚い部分に竹串を刺し、肉汁に血が混ざっていなければ火を止める。そのまま鍋の中で粗熱をとり、余熱でしっとり仕上げ、余熱の入り具合をみてひきあげる。
⑥ ⑤を2~3㎜厚のうす切りにし、器に盛る。
⑦ (A)(B)をそれぞれ合わせ、2種類のヤンニョムを作り、⑥に添える。
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