「慈華」
田村亮介
生のトマトを使って、さっぱりと爽やかな味わいに
口伝
フレッシュトマトの海老チリ
通常「海老チリ」はケチャップを使いますが、今回は「フレッシュトマト」と「甘酒」を使って作る料理法をご紹介します。
海老の下処理
「海老/ブラックタイガー」は殻を剥いてから、楊枝や竹串などで背ワタを取り除きます。
背ワタをとった「海老」をボウルに入れ、「塩」を振って揉み込みます。
こうしますと「塩」の浸透圧で水分と共に汚れが出てきます。
表面に汚れが浮き上がってきましたら、「片栗粉」を入れて全体的にまぶします。
浮き上がってきた汚れをこの「片栗粉」でまとめて、流水で洗い流します。
「海老」の水気を拭き取ったらボウルに入れ、「塩」「酒」「胡椒」を入れて優しく混ぜて下味をつけます。
さらに「片栗粉」を加えますが、この「片栗粉」は「海老」の表面に「チリソース」を絡めるための薄衣になりますので、全体的に薄く絡むようにします。
海老をソテーする
湯むきした「フレッシュトマト」を約1cm角の粗みじん切りにします。
「溶き卵」をボウルに用意しておきます。
鍋に油を入れて、片栗粉をまぶした「海老」を並べて、中火の火加減でソテーします。
「海老」の表面の「片栗粉」に火を入れるために、「海老」の表面の色が変わりましたら裏返して両面をサッと焼いて鍋から取り出します。
この時「海老」の火の通り具合は2割から3割で結構です。
チリソースを作る
「海老」をソテーした同じ鍋に「甘酒」「豆板醤」「生姜のみじん切り」「ニンニクのみじん切り」「フレッシュトマト」を入れてから火をつけて、弱火から中火で香りを出すように炒めます。
「甘酒」は、コメを発酵させた天然の甘味と旨味がありますので、余分な砂糖などを使わずに済みます。
「豆板醤」や「薬味」が入っていますので、一気に強火にしてしまいますと焦げやすく「豆板醤」などが黒くなってしまいます。
仕上げ
香りが出て沸騰したところでいったん火を止めて、「水」「塩」を加え「海老」を戻し入れます。
「海老」は先ほど取り出してから、ゆっくりと火が入っています。
火を入れすぎると「海老」は固くなってしまいますので、「チリソース」の中に入れてから素早く仕上げるようにします。
軽く30秒ほど煮たところで「水溶き片栗粉」を入れてとろみをつけます。
少しとろみがゆるいかなという時に、「ネギのみじん切り」を入れて沸騰してから、「溶き卵」を回し入れます。
強火にしてから「ラー油」を回し入れ、最後に「酢」を加えることによって、辛味を切ります。
皿に盛り付けて、「香菜」などのグリーンを添えて出来上がりです。
フレッシュトマトの爽やかで甘酒の隠し味がポイントの〈フレッシュトマトのエビチリ〉完成です。
材料〈2人前〉
材料 |
冷凍えび(殻つき/ブラックタイガー) 8尾 |
〈A〉 |
塩・酒・こしょう 少々/片くり粉小さじ1/トマト 大1個/サラダ油 適星 |
〈B〉 |
甘酒 大さじ2/豆板醤 小さじ1 /しょうがのみじん切り 大さじ1/にんにくのみじん切り 小さじ1 |
作り方
① えびは解凍して殻をむき、背ワタを取り除く。塩1つまみ(分量外)をもみ込み、汚れが浮いたら片くり粉適量(分量外)を全体にまぶす。流水で片くり粉を洗い流し、水気を拭き取る。<A>で下味をつけ、片くり粉をまぶす。
② トマトは皮を湯むきして、粗みじん切りにする。
③ フライパン(または中華鍋)にサラダ油を中火で熱し、①のえびを並べ入れる。色が変わったら裏返し、サッと火を通して取り出し、火を止める。
④ ③のフライパンに<B>と②のトマトを入れ、弱めの中火にかける。香りが出るまで炒めたら火を止める。
⑤ ④に分量の水と塩を加え、③のえびを戻し入れる。弱火にかけ、混ぜながら30秒ほど煮たら、水溶き片くり粉でトロミをつける。長ねぎを加え、溶き卵を回し入れて混ぜ合わせる。
⑥ 卵に火が通ったら強火にし、ラー油を回し入れ、酢を加えて混ぜ合わせる。器に盛り、お好みで香菜を飾る。
◆冷凍えびは汚れがあるので、塩で余分な水分と汚れを取り、片くり粉で汚れを吸着させる。
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