「慈華」
田村亮介
爽やかな酸味があとをひく四川のスープ
口伝
卵とトマトの酸辣湯(サンラータン)
最近日本でも「酸辣湯/サンラータン」という料理の名前を耳にすることが多くなりました。
「酸辣湯」は四川料理のスープですが、酸味の〝酸〟、辛味の〝辣〟、スープの〝湯〟で、酸味と辛味が特徴のスープです。
本日は卵とトマトを使った「酸辣湯」をご紹介します。
具材の下処理
「トマト」はヘタを取って、煮崩れしないように、くし切りにしたものを更に半分にし少し大きめに切ります。
「オクラ」のヘタを取り、小口に刻みます。
アクセントとして「長ネギ」を輪切りにします。
料理には色合いも大事です。本日は「トマト」の赤、「オクラ」の緑、「卵」の黄色で色鮮やかに仕上げます。
材料に決まりはありませんので、冷蔵庫に残っている野菜で結構ですが、色合いを考えて、なおかつ時季の物を入れると美味しくなります。
スープを作る
鍋に「中華スープ/清湯(チンタン)※」を注ぎ、「オクラ」「長ネギ」を入れて加熱しますが、ぐつぐつと煮込まずに沸騰するまでに調味を終えるようにします。
沸騰する前に仕上げた方が「スープ」がクリアーな味になります。
※清湯(チンタン)の作り方はこちらをご覧ください。
「トマト」などの具材が煮崩れると味も濁ってしまいますので、沸騰した時には「スープ」が仕上がった状態にします。
また本日の食材「トマト」「オクラ」「長ネギ」は生でも食べられる食材ですので手早く作ることができます。
鍋に「塩」「醤油」、そして辛味の〝辣〟として多めの「胡椒」を入れ、沸騰直前に「トマト」を入れて再度沸騰する直前に火を止めて「水溶き片栗粉」を入れます。
「水溶き片栗粉」は置いておくと片栗粉が沈殿しますので、必ずかき混ぜてから使います。
「水溶き片栗粉」は一気に入れるとダマになりますので、細く糸のように少しずつ入れます。
「水溶き片栗粉」を入れたら火をつけて再加熱してトロミをつけます。
また沸騰してきましたら「溶き卵」を細く入れ、一度だけかき回して、「卵」が浮いてきましたら火を止めて、アクを取り除きます。
最後に酸味の〝酸〟として「酢」を加えます。
火をつけている時に「酢」を加えると酸味が飛んでしまいますので、必ず火を止めてから入れるようにします。
軽く混ぜて器に盛り付けましたら〈酸辣湯〉の完成です。
酸辣湯麺
器に茹でた「中華麺」の上に「酸辣湯」をかけるだけで「酸辣湯麺」になりますので、ぜひお試しください。
材料〈2人から3人前〉
材料 |
トマト 中1個/オクラ 3本/長ねぎ 1/2本/卵 1/2個/中華スープ 3カップ/塩 小さじ1/2/しょうゆ 大さじ1と1/2/こしょう 小さじ1/水溶き片くり粉 適量/酢 大さじ3~ 中華麺 1玉×人数分 |
※1中華スープは鶏がら、または豚と鶏のひき肉でとる清湯(チンタン)。有塩の市販品を使う場合は表示よりも薄味にして塩分を調節する。
作り方
① トマトはくし切りにし、さらに半分に切る。オクラは5mm、長ねぎは1cmの小口切りにする。
② 鍋に中華スープを入れ、オクラ、長ねぎを加えて強火にかける。
③ ②に塩、しょうゆ、こしょうを入れ、スープが沸騰する直前にトマトを加える。
④ 沸騰したら火を止める。水溶き片くり粉を少しずつ入れ、混ぜたら再び火にかけとろみをつける。
⑤ 沸騰したら溶いた卵を回し入れ軽く混ぜる。
⑥ 火を止めて、酢を加える。軽く混ぜ器に盛り付ける。
⑦ ゆでた中華麺に出来上がった酸辣湯をかければ、酸辣湯麺になる。
◆酢は酸味が飛んでしまうので、最後の仕上げに加える。
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