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イタリア料理 西沢健三 夏の料理 通年料理

パッパ アル ポモドーロ

 

「トラットリア・ダ・ケンゾー」
西沢健三
固くなったパンとトマトで作る、イタリア版の「お粥」
〈パッパ アル ポモドーロ〉

口伝

残ったパンを無駄なく使うトスカーナのマンマの味

呑みすぎたお父さんにも優しいイタリアのパン粥です

残りものの固くなったパンとトマトで作る、フィレンツェの家庭の知恵が詰まったスープ。パッパとは「お粥」を意味し、パンが入っているので腹持ちもよく、風邪をひいた時にもよく食されます。トマトの水煮缶を使うと一年中楽しめますが、夏場は生のトマトで作るのが本場イタリア流です。

 

「プリモ・ピアット」いわゆるパスタ料理としてイタリアでは食べられます。

ソースを作る〉鍋に「玉ねぎ」を入れ、「オリーブオイル」で炒めます。

オリーブオイルはできればトスカーナ産の良質なものをお使いください。

鍋に「塩」を少し入れます。

火は中火で構いませんが、玉ねぎが〝しんなり〟してきましたら弱火にしてください。

ゆっくり炒めて「玉ねぎの甘さ」を引き出してください。

今日ご用意しているパンは「トスカーナパン」ですが、ない場合は「バゲット」で代用してください。

残っていたパンをスライスして、トースターやオーブンで低温で乾燥させてたものを、水でふやかして、ちぎったものです。

この過程を省いて、パンをこれから作るトマトソースの中に入れても構いません。 どちらかというと、それがイタリアでの料理法です。

しかしそうすると、たまにパンの固い部分が口に残ることがありますので、それを防ぐために、水でふやかしてから、ギュッと絞って鍋に入れます。

香り付けで、鍋に「バジリコ」をちぎって加えます。

バジリコは、玉ねぎの中に入れたら、色留めにもなりますので、「すぐにかき混ぜて油と絡めて」ください。

バジリコに火が入って香りがしましたら、「トマト缶」を加えます。

お店で使っているのは「プチトマトの缶詰」なんですが、「普通のホールトマト缶を手でつぶしながら」で構いません。

「夏はフレッシュトマト」を角切りにして作ります。

トマトが入ると鍋の温度が一気に下がるので、強火にして軽くつぶしながら火を入れて「トマトの酸味を飛ばし」ます。

酸味が飛べば大丈夫ですので、「あまりトマトを煮詰めない」ように火加減に注意してください。

さらに「トマト缶と同量のお水」をいれます。

水を入れると、鍋の温度がまた一気に下がりますので「火を強めて煮詰めて」いきます。

ここで「パン」を入れていきます。「パンの量」は本当にお好みで入れてください。

トマトソースの分量に対して、これだけのパンを入れなければならないという決まりはありません。

パンを入れると鍋底に溶けたパンがアタルというか、焦げ付いてしまいますので、こまめに混ぜてください。

パンがしっかり溶けて「とろみがついたら器に」盛り付けます。

バジルを乗せて、オリーブオイルをたらせば〈パッパ アル ポモドーロ〉の完成です。

固くなったパンを無駄なく美味しく食べるトマトのスープです。トスカーナのマンマの味をぜひお試しください。

 

  材料〈2〜3人前〉

 材料 乾燥したプレーンなパン(※1)80g/玉ねぎ(薄切り)1個分/バジル 2~3枚/トマトの水煮(缶)約400g/バジル(飾り用)適量/オリーブ油(EXV) 大さじ2/塩 適量

 

作り方

① パンは厚さ3㎝程度に切り、オーブンの低温で焼き色がつかないよう空焼きしてカリッとさせる。ボールに入れ、全体が浸る程度の水(分量外)を注いでふやかし、手で水気を絞り、ちぎっておく。

② 鍋に玉ねぎとオリーブ油適量を入れ、中火で熱して炒める。塩少々を入れ、玉ねぎがしんなりとしたら弱火にし、5分ほど炒める。バジルをちぎって加え、さっと炒めて油が全体に回ったら、トマトの水煮を加えて強火にする。

③ トマトをヘラでつぶしながら、酸味が飛ぶまで2分ほど炒める。水2カップ(分量外)と①のパンを加える。沸いたらフツフツとする火加減に調整し、混ぜながらゆっくりと煮る。

④ 10分ほど煮てパンがしっかり溶けたら、味をみて、足りなければ塩で調える。器に注ぎ、バジルを飾ってオリーブ油適量をかける。

 

料理塾

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