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フランス料理 髙橋雄二郎 料理の時候 春の料理 新着レシピ

新玉ねぎのブランマンジェ

「ル・スプートニク」
髙橋雄二郎

見るだけでも楽しい、シェフのアイデアが詰まった一品

口伝

新玉ねぎのブランマンジェ トマトのジュレ

「新玉ねぎのブランマンジェ トマトのジュレ」を作りますが、〝ブランマンジェblanc manger〟とはフランス語で〝ブランblanc〟が白・〝マンジェmanger〟が食べ物で「白い食べ物」という意味になります。
新玉ねぎが出回る時期に白い玉ねぎのピューレを使ってブランマンジェを作りたいと思います。

ブランマンジェを作る

「新玉ねぎ」をヘタを取り除いてスライスします。
スライスした「新玉ねぎ」を鍋に入れて「フルードセルfleur de sel 塩/普通の食塩でも可」「オリーブオイル」を入れて軽く「塩」が混ざる程度にかき混ぜます。
鍋に蓋をして低温で30分ほど加熱します。
弱火でゆっくり火を入れることで、水分の多く含む「新玉ねぎ」から水分が出て、この水分で無水調理ができ「新玉ねぎ」の甘味が出ます。


30分経ちましたら、粗熱を取ってから柔らかくなった鍋の「新玉ねぎ」をミキサーに入れて30秒ほど撹拌します。
「新玉ねぎ」の水分だけで滑らかなピューレの状態になります。
ピューレを濾し器で濾して滑らかな口当たりにします。


この後「生クリーム」をホイップしたものと合わせますので、氷水でしっかり冷やします。
温かいままですと「生クリーム」と合わせた時に柔らかく〝ダレ〟てしまいます。


「ブランマンジェ」を固める「板ゼラチン」を氷水に入れて5分ほどでふやかします。
「新玉ねぎのピューレ」を鍋に少量とって、ふやかした「板ゼラチン」を入れて溶かし、残りの「ピューレ」と合わせます。
「ゼラチン」を「ピューレ」全体に入れてしまうと、すべて温めなおすことになり冷ますのに時間が掛かってしまいます。
「生クリーム」をホイップしますが、〝ダレ〟やすいので冷やしながら、「ピューレ」と同じくらいの固さ6分立てくらいにホイップします。


「生クリーム」の分量3分の1ずつ3回に分けて「ピューレ」と合わせますが、最初はしっかりと混ぜ込んで、2回目3回目はさっくりと混ぜ合わせます。
「ピューレ」と「生クリーム」を混ぜ合わせましたら、味見をして「塩」で味を調整し、型に入れて冷蔵庫で冷やします。

トマトのジュレを作る

「トマト」を湯剥きしますが、まずヘタを取り後で剥きやすいようにお尻に包丁で十字に切り込みを入れます。
「トマト」を鍋に沸騰したお湯に15秒から20秒入れて茹でて皮を剥きますが、氷水に入れると皮が浮いてきますので剥きやすくなっています。
皮が剥けた「トマト」をざく切りにし、ミキサーに入れて30秒ほど撹拌します。
「トマト」がピューレ状になりましたら、濾し器にそっと入れます。


最初に濾し器で越されて受ける器に落ちてくるのは赤い色が付いた液体ですが、5分ほど置きますとやがて雫が透明になります。


液体を受ける器を別のものに変えますが、最初に落ちた赤い液体をそっと上に注げば透明のエキスを取ることができます。
この状態でラップをして一晩冷蔵庫に入れてエキスを落とします。
「トマトのジュレ」には、この自然に落ちるトマトのエキスのみを使います。
エキスを取った後の果肉は、パスタのトマトソースやミネストローネなどにお使いになると美味しく召し上がれます。
「トマトエキス」とエキスの1.3%の分量のふやかした「板ゼラチン」をキッチンペーパーなどで水分を除いてから鍋に入れ、温めながら溶かします。
「板ゼラチン」が溶けましたら味見をして「塩」で調整します。
型に入れて氷水で粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やします。

盛り付け

冷やした「新玉ねぎのブランマンジェ」を型からスプーンですくって器に盛り、同様に「トマトのジュレ」をスプーンですくってかけます。

この料理には出汁などを使っていませんが、トマトの旨味と新玉ねぎの甘みで充分美味しい料理に仕上がっています。
最後に「エキストラヴァージン・オリーブオイル」を回しかけて出来上がりです。

新玉ねぎとトマトの旨味をそのまま引き出した、とろける食感の「新玉ねぎのブランマンジェ トマトのジュレ」完成です。

  材料〈7人から8人前〉

新玉ねぎピュレ 新玉ねぎ 2個/塩(フルール・ド・セル) 1つまみ/オリーブ油(EXV) 大さじ1強/生クリーム (A)の1/3量/板ゼラチン(A)と生クリームの重量の1.4% /塩 少々
トマトジュレ トマト 4個/塩 少々/トマトエキス 1カップ/板ゼラチン
仕上用 オリーブ油(EXオリーブ油) 少々

作り方

【下準備】
・新玉ねぎは薄切りにする。

<新玉ねぎのブランマンジェを作る>
①鍋に新玉ねぎ、オリーブ油(EXV)、塩を加え混ぜふたをして弱火で30分ほど煮る。
②①の粗熱をとりミキサーにかけピュレ状にし、こし器(シノワ)などでこし、しっかり冷やす。
③氷水で板ゼラチンを戻す。小鍋に②のピュレを少量とり、戻した板ゼラチンを入れ溶かす。
④②のピュレに③を入れ混ぜ合わせる。生クリームを6分立てにしたものを1/3量ずつ入れ、はじめはしっかり混ぜ込み最後は切るようにさっくり混ぜあわせる。塩で味を整え、型に流し冷蔵庫で冷やす。
<トマトのジュレを作る>
①トマトを湯むきしてザク切りにし、ミキサーに30秒ほどかけてピュレにしてこす。5分ほどしてこした汁が透明になったら下に落ちるエキスをため、一晩冷蔵庫でそのままこす。(最初の赤い汁は再度こし器にもどす)
②鍋に①のトマトエキス、氷水で戻した板ゼラチンを入れて溶かし、塩で味を整え型に入れ冷やす。
<盛り付け>
器にブランマンジェをスプーンですくい入れ、トマトジュレを上にかけオリーブオイルを回しかけて完成。

新玉ねぎは水分が多いのでふたをして新玉ねぎの水分だけでゆっくり煮ると甘味がでる。
ピュレをこしき(シノワ)で漉すと口当たりがなめらかになる
トマトのジュレを漉した時に残るトマトの果肉はシチューに使ったり、トマトソースを作るときに使ったりできる。

※1_ブランマンジェ・・・フランス語で白い食べ物という意味。フランスだけではなくヨーロッパの国々で作られている。冷菓の一種。

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