「よだれ鷄」
飯田徹也
たっぷりの野菜をXO醤で炒めた贅沢な春の一品
口伝
春野菜のXO醬炒め
春野菜のXO醬※炒めを作ります。
※「XO醬/えっくすおーじゃん」_干し貝柱や金華ハム、干しエビなど色々な材料を使った最高級の醬です。ブランデーの高級品の等級〝XO(エクストラ・オールド)〟にちなんで名前がつけられました。〈炒飯〉などの炒め物や、蒸し物などに幅広く使える醬です。XO醬は、貝柱と金華ハム、干しエビなどの高級食材を使った合わせ調味料です。醬についてはこちらをご覧ください。
下準備
今回は春ですので「桜海老」を加えて、より季節感を出そうと思います。
生の「桜海老」を水分を飛ばすように高温の油でさっと揚げて、その後キッチンペーパーに乗せて油をきっちり取り除いておきます。
「菜の花」は、ボイルしてしまうと花の部分がしおれてしまいますので、80度の湯に浸けておきますと、火も入って「菜の花」本来の味が出てきます。
炒め物は食感をしっかりと残したいので、最初に合わせ調味料を作ります。
「無塩の鶏がらスープ」の中に「塩」「砂糖」「オイスターソース」「水溶き片栗粉」を入れて混ぜ合わせます。
この「合わせ調味料」を作っておきますと、食材を手早く炒めることができて、余計な熱が入らずに食感を残すことができます。
油通しと湯通し
鍋に、あらかじめアク抜きをして下処理をした生の「春筍」「アスパラ」と「エリンギ」「しめじ」「しいたけ」のキノコ類を入れて、高めの160度から170度に熱した油でさっと油通します。
高めの温度の油で油通しすることで野菜の表面の水分が抜け、そこに味を入れていきます。
油通しが終わりましたら、鍋の油を除いてから湯を入れて、今度は湯通しをします。
鍋に「塩」「砂糖」を入れて、湯通しと同時に下味をつけます。
こうすることによって、油こくならずに、少ない調味料でカラッと仕上がります。
鍋に先ほど油通しした野菜類を戻し入れて、油通しに適していない「ブロッコリー」「空豆」「赤パプリカ」を加えて30秒ほど湯通しして、野菜の香りが上がってきたら取り出す目安になります。
炒める
野菜類を取り出しましたら、鍋をしっかり空焼きしてから油に慣らし、そのあと油をしっかり切るようにします。
「XO醬」は油分が多いので、しっかり鍋の油を切っておかないと出来上がりが油っこくなってしまいます。
鍋に「にんにく」「生姜」「ネギ」を入れて香りが出てきたところで「XO醬」を加え、さらに「XO醬」の香りが上がってきましたら、湯通しした野菜類を入れ全体に絡ませ、先ほどの「合わせ調味料」の下に溜まった片栗粉を混ぜながら火加減を強火にして入れ、全体に味を回します。
湯に浸けた「菜の花」を加え、最後に揚げた「桜海老」を入れて焦げないようにしっかりと炒めながら、鍋肌から「紹興酒」を入れ、「ネギ油」で香りをつけます。
鍋から皿に盛り付けて出来上がりです。
野菜を旨味たっぷりのXO醬で香り高く炒めました〈春野菜炒め〉完成です。
材料〈4人前〉
材料 |
桜えび(生) 100g/ゆで竹の子 200g/アスパラガス 3本/しいたけ 4枚/しめじ 1/2パック/エリンギ 1/2パック/菜の花 8本/赤パプリカ 4枚/ブロッコリー(小房) 4切れ/そら豆 12粒/揚げ油 適量/サラダ油 適量/にんにく 小さじ1/しょうが 小さじ1/長ねぎ 5cm分/XO醤 60g/紹興酒 小さじ1/ねぎ油 小さじ1 |
鶏ガラスープ(無塩) 大さじ2/塩 4g/砂糖 1g/オイスターソース 3g/水溶き片栗粉(水3:片栗粉1) 大さじ1 |
※1.XO醤は干し貝柱や干しえび、金華ハムなどうまみの強い高級乾物を使った合わせ調味料。主に炒め物に使うほか、そのままで酒の肴やごはんのお供にもなる。
作り方
【下準備】
・ゆで竹の子は1㎝厚さの一口大に切り、アスパラガスは4㎝長さの斜め切りにする。
・しいたけの軸をとる。しめじは小房に分け、エリンギは5㎜厚さの薄切り
・赤パプリカはくし形に切り、そら豆は薄皮をむく。
・にんにく、しょうがはみじん切り、長ねぎは1cm幅の斜め切りにする。
・桜えびは少し色づく程度に素揚げして油をきっておく。
・<合わせ調味料>の材料を混ぜ合わせておく。
① 中華鍋(またはフライパン)に揚げ油を160~170℃に熱し、竹の子、アスパラ、きのこ類を順に入れてさっと油通しする。取り出して油をきっておく。
② 菜の花は硬い茎を落とし、80℃のお湯に浸しておく。
③ ①の中華鍋の油をあけてお湯300ml(分量外)を入れて、塩5gと砂糖小さじ1(ともに分量外)を加える。①の野菜とパプリカ、ブロッコリー、そら豆を入れてさっと火を通し(湯通し)、取り出して水気をきる。
④ ③の中華鍋の湯を捨てて油ならしをして中火にかけ、サラダ油適量を熱してにんにく、しょうが、長ねぎを炒める。香りが立ったらXO醤を加えてさっと炒め、③の野菜を加えて強火にし、合わせ調味料を少しずつ加える(加える量は様子を見て加減する)。
⑤ ②の水気をきって④に加え、桜えびを加えて焦げないようにしっかりと炒め合わせる。鍋肌から紹興酒とねぎ油を回し入れ、一炒めして器に盛る。
◆ 菜の花は80℃のお湯に浸しておくと中まで熱が通り、シャキッとした食感に仕上がる。
◆ テフロンのフライパン使う場合は、⑤で湯を捨てたあとの油ならしは不要。
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