「よだれ鷄」
飯田徹也
失敗せずにパリパリに揚げるコツを伝授
口伝
春巻き
本日はシンプルな王道の春巻きを作ります。
私の父も中華の料理人で最初に教えてもらった料理が春巻きでしたので、私にとっても思い出の味です。
本日は王道の材料ですが、春巻きは何を巻いても美味しいので、季節によって夏ならトウモロコシを巻くと味も香りも甘みのある春巻きに、春は山菜、秋はきのこ、冬は白菜やカニなどを入れて巻くのもよろしいと思いますので是非ご自分の味を探してください。
具材の下処理
具材は、細切りにした「豚肉」「まこもだけ/タケノコの水煮で代用可」「干し椎茸」、ぶつ切りの「エビ」、「春雨」「ニラ」みじん切りにした「生姜」、「卵黄」です。
「卵黄」は餡にまろやかさを出すために使います。
まず、80度くらいのお湯で「エビ」を茹で6割ほど火を通します。
「まこもだけ」を170度くらいのたっぷりの油でさっと油通しします。
「豚肉」を軽く「塩」をして炒め7割ほど熱を入れます。
「干し椎茸」を湯通しして、そこに「塩」「砂糖」を少々入れて、先ほど油通しした「まこもだけ」を入れてさっと茹でてザルにあけます。
餡を作る
温めた鍋に少量の油を入れ注いで、刻み「生姜」を入れて香りが出てきましたら、湯通しした「干し椎茸」「まこもだけ」、炒めた「豚肉」を戻し入れて「紹興酒」を入れてから「中華スープ」を注ぎます。
「中華スープ」が多すぎると上げる時に春巻きの皮が破れてしまいますので、分量には注意してください。
ヒタヒタより少し少ないくらいがちょうど良い分量ですが、本日は「春雨」を入れますので少し多めにしています。
鍋に「醤油」「オイスターソース」「砂糖」を加えて味見をしてよければ「春雨」を入れます。
しばらく炊いて「春雨」が水分を吸って水分量が減ってきましたら「水溶き片栗粉」を入れますが、スープが少なすぎても美味しくないので水分量には注意してください。
「餡」が固まってきましたら「ニラ」を加え、「ごま油」を回し入れてから色付けに「中国たまり醤油」を入れます。
最後に「エビ」と「卵黄」を入れてまろやかさとコクを加えます。
混ぜ合わせれば「餡」の完成です。
「餡」の固さはお玉に付いて落ちないくらいが良いです。
春巻きを巻く
小麦粉と水を3:1の割合で混ぜた「ノリ」を用意しますが、固いと揚げた時に口に残りますのでユルめに作ってください。
「餡」が熱いままですとあげた時に皮が破れやすくなりますのでしっかりと冷まします。
「春巻きの皮」には裏表がありまして、ザラザラした面を内側にツルツルした面を外側にします。
「餡」の具材のバランスが良くなるように「皮」の真ん中よりやや下に「餡」をおき、サイドを折ります。
1回だけギュッと手前から「皮」を巻き、あとは空気を包むように巻いて「ノリ」を着けて閉じるとフワフワの「春巻き」が巻けます。
春巻きを巻く
150度くらいの低温のたっぷりの油で徐々に温度を上げていきます。
「春巻き」からふつふつと泡が出る程度に温度をキープして、じっくり低温からじわりじわりと揚げていくと皮がパリパリと美味しい「春巻き」になります。
「春巻き」に油をかけながら可愛がるように揚げます。
「春巻き」を揚げるときは最初皮が柔らかく、お玉などが触れてしまうと割れてしまったりしますので、油を回して油の中で「春巻き」が回転するように揚げると綺麗に仕上がります。
「春巻き」から出る泡がなくなってきましたら火を強めて油の温度を上げます。
「春巻き」がキツネ色になりましたら、取り出しますが巻きの部分から油が入りますので、「春巻き」を立てて油を抜きます。
揚げたてのアツアツ〈春巻き〉完成しました。
材料〈8本分〉
材料 |
豚肩ロース 140g/マコモダケ(筍でも可) 160g/海老 120g/にら 60g/干ししいたけ 5枚(60g)/春雨 30g/卵黄 2個/生姜 20g |
〈A〉 |
紹興酒 少々/中華スープ 250ml/しょう油 大さじ2/オイスターソース 大さじ2/砂糖 大さじ1・1/2 |
作り方
【下準備】
・干ししいたけは水に戻しておく。
・豚肩ロース、マコモダケ、干ししいたけは細切り、海老はぶつ切り、にらは4cm長さ、しょうがはみじん切りにしておく。
① あんを作る。海老は80℃くらいのお湯でさっと湯通しする。マコモダケは170度の油に通し、豚肉は軽く塩をして7割ほど炒める。しいたけと油通ししたマコモダケは塩少々、砂糖少々をいれたお湯でさっと茹でる。
② 鍋に油をひいてしょうがを炒め、香りが出てきたら②のマコモダケ、しいたけ、豚肉を入れて炒め、<A>を入れ一煮立ちさせてから春雨を入れる。
③ 春雨が水分をすったところで水溶き片栗粉を入れ、ニラを加える。
④ 仕上げにごま油、中国たまりしょう油、こしょう、海老、卵黄を加えバットに広げて冷ます。
⑤ 具材を巻く。春巻の皮にあんをのせ包んでのり(※1)でつける。
⑥ 春巻を150℃の低温の油に入れ、徐々に温度を上げて仕上げる。
※1. 小麦粉:水=1:3を混ぜたもの。
◆具材は冷ましてから包む。温かいうちに包むと皮が破けやすい。
◆低温の油から揚げ、徐々に温度を上げていくとパリッとした仕上がりになる。
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