「慈華」
田村亮介
もちもちの食感とジュワッとあふれる肉汁を楽しむ
口伝
もち米焼売
もち米焼売は、通常の焼売よりも手軽に美味しくできます。
通常の焼売ですと豚肉の餡を皮で包むのに技術が必要となりますが、もち米焼売は餡を丸めてもち米にまぶして蒸し揚げるのでとても手軽に簡単にできます。
味わいも、もち米をしっかり蒸すことによりモチっとした食感になってさらに美味しい焼売になります。
餡を作る
ボウルに入れた「豚肉のひき肉」に、「塩」「酒」「醤油」「卵」を入れて粘りが出るまでしっかりと手で混ぜ合わせます。
混ぜる時のポイントとして、右回りなら右に左回りなら左にへと混ぜる方向を一定方向に練ることることです。
一定方向に混ぜることにより、繊維が繋がって加熱した時に肉汁を逃すことなくジューシーに仕上がります。
目安としましては、だんだん「豚肉」の色が白っぽくなってきますので、それまで根気よく混ぜてください。
たまに肉をボウルに叩きつけて粘り気を出します。
しっかりと練ることが美味しくなるポイントとなります。
「豚肉」が白くなりましたら、みじん切りにした「干しエビ」「干し椎茸」「長ネギ」を加えて、今度は練るのではなくて全体的に混ぜ合わせるようにします。
ここで先ほどのように力を入れてねってしまうと、「長ネギ」から余分な水分出てきてしまいます。
全体がまとまりましたら、最後に「片栗粉」を入れて混ぜ合わせまとめます。
通常の焼売の場合もそうですが、出来上がった「餡」は冷蔵庫で1時間ほどしっかり冷やしてください。
「餡」を丸めて成形する時に作業がスムースになります。
餡を成形して蒸す
「もち米」を洗米して3時間ほど水に浸けてから、ザルで水気をしっかりと切ります。
この「もち米」を皮の代わりにして「餡」にまぶし付けます。
1時間寝かせた「餡」を丸めて「もち米」の上に並べます。
「餡」の丸め方は、親指と人差し指の間から出して丸めると均等な大きさになります。
もちろん両手で丸められても構いません。
並べた「餡」を両手でやさしく「もち米」をまぶします。
やさしくまぶすしただけでは「もち米」が外れてしまいますので、少し押し込むように軽く〝おむすび〟を握る感覚で形を整えます。
全体的に「もち米」を綺麗にまぶしましたらセイロに入れます。
しっかりと沸騰した蒸し器の中に「焼売」を入れて30分ほど蒸します。
30分蒸してそれ以降1時間くらいまでは、「焼売」を美味しく召し上がれますので、最低でも30分は蒸すようにします。
30分蒸すのと1時間蒸すことの違いは、まわりの「もち米」の状態です。
30分ですとフワッとモッチリした食感ですが、「もち米」は蒸せば蒸すほど柔らかくなりますので、1時間ほど蒸すとネットリとした食感となりますから、お好みの蒸し加減でお楽しみください。
30分経ちましたらセイロから取り出して出来上がりです。
モチモチのもち米に肉汁が口の中で絡みつく〈もち米焼売〉完成です。練り方がポイントです、
材料〈15個から20個〉
材料 |
もち米 1と1/ 2カップ/豚ひき肉 250g/干し椎茸 2枚/干しえび 20g/塩 少々/酒 小さじ2/しょうゆ 小さじ1/卵 1個/長ねぎのみじん切り 15cm分/片くり粉 大さじ2強 |
作り方
① もち米は洗って3時間ほど水につけておく。干 し椎茸と干しえびは水につけてもどし、みじん切りにする。
②大きめのボウルに豚ひき肉、塩、酒、しょうゆ、卵を入れて、臼っぽくなり粘りが出るまでしつかりと混ぜる。
③ 干し椎茸、干しえび、長ねぎを加えて軽く混ぜ、 片くり粉を加 えて軽く混ぜ合わせる。時間があれば1 時間くらい冷蔵庫に入れて冷やすと成形しやすい。
④ もち米をザルに上げてしっかり水気をきりバットに広げる。③をひと口大にまとめてもち米においていく。もち米を全体にやさしくまぶし、軽く握ってもち米を肉に押し込みながら丸く形を整える。
⑤ 中華せいろにクッキングペーパーを敷いて④を並べ、蒸気の上がった鍋にのせて30分以上蒸す。好みで1時間くらい蒸すとねっとりした食感に仕上がる。
◆肉だねは同じ方向に力強 く混ぜ、途中で何度か叩きつけると粘りが出やすい。
◆肉だねに野菜を加えてからはやさしく混ぜて、野 菜から水分が出ないようにする。
◆もち米をつけるときに軽く握って肉に密羞させ ることで、蒸したあとはがれにくくなる。
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