古代より滋養強壮に効く
大暑の末候_「大雨時行/たいうときどきふる」この時候に「大蒜/にんにく」をいただきます。
大雨時行_8月2日から8月6日
大雨時行_暑い夏の日には時に激しく雨が降ります。ゲリラ豪雨とは違い、真っ白な入道雲が夕立を呼ぶのは、雨の後になんとなく涼を運んでくれそうな期待を抱かせます。
夏の景色で入道雲とともに思い浮かぶのは、「蝉時雨」です。夏の初めのニイニイゼミから、アブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ、そして蜩(ひぐらし)、夏も終わりを告げるようなツクツクボウシまで、いろいろな蝉が時に「時雨」のように一斉に鳴き立てます。
欧米で蝉の鳴き声は〝騒音〟でしかなく、日本人のように〝時候の趣〟として愛でるようなことはしないというし、子供が蝉やクワガタ、カブトムシなど探して〝虫取り〟に夢中になることはないそうです。
確かにミンミンゼミもツクツクボウシ、蜩も英語では〈CICADA〉と全て一緒くたであるのがその現れでしょう。
我々も心に余裕がなくなると、蝉の鳴き声も「騒音」となりがちです。時に、夕に鳴く蜩の〝カナカナ〟という音を酒肴に一杯やるのも良ろしいのでは。
大蒜_アリシンの抗がん作用
ヒガンバナ科。ニンニクはタマネギなどと同じく根もとの球根(鱗茎)を食用とする。ニンニクの原産地は、中央アジア・キルギス地方と言われ、日本には中国を経由して、奈良時代頃には伝わっていたとされている。古代エジプトからギリシャなどでは紀元前3000年以上も前に薬用(強壮用)として栽培されていたという。
【選び方】皮が白くしっかりと重なって、ふっくら丸みのあるもの。
【保存方法】網袋に入れて風通しの良いところに吊るすか、皮が付いたまま粒をバラバラにして、ラップに包んで冷蔵庫へ。
【旬の時期】収穫のピークは6月。旬は6月から8月にかけての夏が旬。
【主な生産地】圧倒的に青森県で、北海道、香川県なども
【栄養】主な薬理効果は辛味成分のアリシンによるもの、アリシンは体内でビタミンB1と結合すると吸収率を高め、エネルギー代謝をスムーズに行なう役割を果たす。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、古賀純二シェフ「牛肉のタルタルステーキ」、秋元さくらシェフ「鶏肉の白ワインビネガー煮込み」、髙橋雄二郎シェフ「鰆のロースト」、山下敦司シェフ「鱈のブランダード」、音羽創シェフ「カキと生海苔のリゾット」、濱崎泰輔シェフ「チェリートマトのソース」、西沢健三「ランプレドット」、鈴木珠美シェフ「蒸し鯛のベトナムスタイル」、キョンファ先生「チャプチェ」などをご参考ください。