小暑/七夕_令和4年7月7日から令和4年7月22日まで
夏越(なごし)の祓え
小暑_梅雨が早々と明け、一気に夏日となりました。
6月の晦日の30日には、12月の大晦日同様、半年の穢(けが)れを雪ぐ〝祓え〟の儀式が神社で行なわれます。
12月の祓えが〝年越の大祓え〟と呼ばれるのに対し、6月は〝夏越の祓え〟と呼ばれます。
夏越の祓えでは、神社にしつらわれた大きな茅の輪を神職とともに潜ります。
この茅の輪は、素盞嗚尊(武塔の神/スサノオノミコト)の神話に因むものです。
その昔、素盞嗚尊が嫁取りの旅に出た際、伊勢の地で泊まる宿に難儀していたところ、〈蘇民将来〉という決して裕福ではない人が、素盞嗚尊を栗ご飯でもてなして宿を提供しました。
その後、無地に嫁を娶(めと)り子を儲けた素盞嗚尊は、再び蘇民将来の家を訪ね、茅の輪で彼の家を囲ったところ、疫病で周りの人が亡くなる中、蘇民将来の家族だけは助かりました。
この茅の輪が神社に置かれて、夏越の祓えの〝茅の輪くぐり〟として今日まで残りました。
また、立ち去る際に素盞嗚尊は「家の門口に〝蘇民将来子孫家門〟と掲げておけば、いかなる疫病からの災いからも免れる」と告げ、蘇民将来の家は代々繁栄しました。
これにあやかって、伊勢地方などでは新年の注連縄(しめなわ)に魔除けとして〝蘇民将来子孫家門〟の札を掲げ、一年中門口に飾ります。
京都の祇園あたりでも、この注連縄が一年中玄関口に飾られているのを目にすることがあります。
また、京祇園祭の期間に厄病・災難除けのお守りとして授与される笹の葉で作られた〈ちまき〉にも、「蘇民将来子孫也」という護符が貼られます。
今回の特集は、日本料理特集「浅見健二 夏の一皿」とシェフの知恵は「菖蒲華 鮎魚女(あいなめ)編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹