夏至_令和4年6月21日から令和4年7月6日まで
虫送り
夏至_暦の上では盛夏となりましたが、近年にしては凌ぎやすい日々が続いています。
江戸時代から続くこの時期の農村の伝統行事に〈虫送り〉があります。
田んぼの害虫を退治し、豊作を祈願するもので、日本全国各地で行なわれていました。
むかしは、農薬等もなく害虫になすすべなかったことから、地域の子供たちが集まってお寺からお札をもらい、松明と太鼓、鐘などを手に持って田んぼの中を練り歩き、火と音で害虫を追い払っていました。
虫送りが行われる時期は地方によってまちまちですが、概ね夏至の前後の6月中旬から7月中旬にかけて行なわれていました。
現在は、夏の風物詩、祭り、観光行事として、三重県の丸山地区、福島県の三島町、石川県の白山市、香川県の小豆島などの地域で「虫送り」が行なわれています。
例えば、小豆島の虫送りは、夏至から11日目にあたる、半夏生(はんげしょう)の頃に行われます。
参加者は、火手(ほて)と呼ばれる竹の松明を田んぼにかざして、「とーもせ、灯せ」と声にしながら〈中山千枚田〉と呼ばれる棚田の畦道を下ります。
暗くなった棚田の畦道を、ゆっくりとたくさんの松明の灯が下って行く様は、幻想的な美しさです。
今回の特集は、日本料理特集「夏に食べたい日本料理② 髙橋有希」とシェフの知恵は「腐草蛍為/鰹節編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹