芒種_令和7年6月5日から令和7年6月20日まで
倭の人
「芒種」の〝芒〟は「禾/のぎ」のことで、禾は稲などの穂先に生えている毛のことです。
それが稲をはじめとする麦・粟(あわ)・稗(ひえ)などの穀物全体を指す言葉となりました。
農作業の目安となる七十二候ですが、その中で、芒種は穀物の種を蒔く頃という意味となります。
中国の古書『魏志倭人伝』によれば日本の呼称は「倭/ワイ・やまと」となっています。
「倭」の文字は人偏に「委」と書きますが、白川静の『字通/平凡社』によれば「委」とは、稲魂(禾)を被って低く舞う女を表していると云います。
日本の古い呼称が、「人偏に稲魂(禾)を被っている女」であったということは、稲作と我が祖国が、いにしえより深く繋がっていたということを、思い知らされます。
今日、日本では米の供給が需要を下回ってしまい、米の価格が高騰してしまっています。
政府は備蓄米の放出で急場を凌ごうとしていますが、米作における根本的な問題はそのままで、米不足は今後続きそうです。
いにしえの「稲穂の国」は、いずこに。
今回の特集は、フランス料理特集「秋元さくら 鷹の爪がアクセント」とシェフの知恵は「蟷螂生 大豆編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹