女性が喜ぶコラーゲン
今回のシェフの知恵は「鶏肉・黄鶏かしわ」です。
鶏肉・黄鶏(かしわ)
日本では長らく家畜(牛・豚・鶏)の肉食は一般的ではなく、狩猟によって得られる猪・鹿などの野生動物の肉が食べられていました。
例外として豚肉が琉球・薩摩というごく限られた地域で料理されてきました。
日本人の肉食は明治維新以降に食生活の欧米化が進み、「牛・豚・鶏」の肉も食用とされるようになりました。
鶏肉—牛肉・豚肉を上回る消費量
維新後、日本人の食肉消費量は増え続け昭和35年の1人当たりの食肉(牛肉・豚肉・鶏肉)消費量は3kgでしたが、56年後の平成28年には31.4kgの10倍にまで達しています。
中でも、近年増加したのが鶏肉です。平成24年には長年1位であった豚肉を抜き、以降、鶏肉は日本で最も消費量の多い食肉となっています
鶏肉は消費者の国産志向が強いことに加え、牛肉や豚肉に比べて国産の供給力(自給率)が高く、家計消費の大半を国産が占めています。(2017年/農畜産業振興機構 )
鶏肉の別称に〝黄鷄(かしわ)〟がありますが。これは「主に西日本で鶏肉に対して使われる〝かしわ〟という呼び名は、和鷄の 羽毛が茶褐色で柏の葉の色に似ているからで、天保(一八三〇頃)以降に鶏肉の総称となった」(『日本国語大辞典』より)とあります。
鶏肉_善玉コレステロールを作る
タ国内で流通する鶏肉は、大別して「ブロイラー」「地鶏」「銘柄鶏」の三つ、このうちの9割はブロイラー。ブロイラーは生後7〜8週間出荷するために改良された肉用若鶏。地鶏とはJAS(日本農林規格)の定義では、日本鶏在来種の血が50%以上入っていて、出生証明ができて飼育期間80日以上のもの、平飼いで1メートル平米あたり10羽以下の密度で育てられたことも要件。銘柄鶏は地鶏ほど厳密な規定はなく、ブロイラーの中でも飼育期間や資料を工夫したもの。
【選び方】ドリップの少ないものを選ぶ。鶏肉は水分が多いので傷みやすい。
【産地】国内の地鶏は40種近くあり、有名なものは鹿児島県「さつま地鶏」・徳島県「阿波尾鶏/あわおどり」・愛知県「名古屋コーチン」・秋田県「比内地鶏」など。銘柄鶏は北海道から沖縄県まで180種近くある。
【栄養】良質なタンパク質。消化、吸収もよく、皮ごと料理すればコラーゲン摂取にも効果的。ささみは低脂肪。
以上、野﨑洋光『料理上手になる食材の基本/世界文化社』より
料理事例のレシピは、野﨑料理長の料理特集「鶏のパリパリ焼き」「鶏ももラーメン」「鶏のくわ焼き」「鶏肉の南蛮漬け」、古賀純二シェフ「鶏の赤ワイン煮」、秋元さくらシェフ「若鶏のディアブール風」、音羽創シェフ「赤パプリカのソース」、山下敦司シェフ「丸鷄のロースト」田村亮介シェフ「鶏肉のおぼろ豆腐スープ」、飯田徹也シェフ「丸鷄のさばき方」、小薇シェフ「よだれ鷄」、濱崎太輔シェフの「ひな鶏の香草ロースト」、鈴木珠美シェフの「ベトナムのチキンカレー」などをご参考ください。