白露_令和元年9月8日から9月22日まで
この時候の「白露/はくろ」とは、野山に降りる[しらつゆ]のことです。翌九月九日は「重陽/菊の節句」です。「重陽」の早朝には前夜に菊の花に綿をかぶせて、その綿が含んだ菊の花の〝露〟で肌を拭い長寿を願いました。
陽数の重なり_重陽
九月九日は「重陽/菊の節句」です。
古来中国では、奇数は縁起の良い数と考えられ「陽数」と呼ばれました。
九月九日は、一年の内、その一番大きな〝九〟という「陽数」の重なる日であるため「重陽」と呼び節句とされたのが日本に伝わりました。
菊が重陽にちなんでいるのは、元々菊が不老不死に繋がる花とされていた中国で、六朝時代に[桓景/かんけい]という人が「重陽に高い場所で酒に菊を浮かべて呑めば、災いから逃れられる」として、この日に酒宴を催したことが始まりとされています。
これが、日本にも伝わって宮中行事となり、やがて庶民の間にも広がりました。
中国にはまた、[慈童/じどう]という人が九月九日に菊の露を呑んで不老不死となり、八百年を生きたという伝説があるそうです。
現代の日本社会を鑑みるに、八百年も長生きしたくないと願うのは、私だけでしょうか。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹