処暑_令和4年8月23日から令和4年9月8日まで
生姜節句
処暑_秋の気配が其処此処に漂い始めますが、暑さもまた横たわって(処)います。
旧暦の八朔(八月一日)は、新暦だと今年は8月27日になります。
江戸時代に八朔は「生姜節句」とされ、各地の神社で〝生姜祭り〟として生姜を販売する市が立ちました。
江戸府内では、芝の大神宮の祭礼の「生姜祭」が、浮世絵に描かれるほど人気の祭りでした。
約一千年前に大神宮が芝に鎮座した当時、まわりは生姜畑で、生姜は食べれば風邪をひかない縁起物ということで、大神宮の祭礼で神前に供えられ、参拝者に配られました。
また祭礼の期間、境内や参道で盛んに生姜が売られました。境内には生姜塚もあります。
現在、芝大神宮の「生姜祭り」は、月替わりの9月11日と定められ、祭礼が9月11日から21日と長い期間行なわれるので、〝だらだら(太良太良)祭り〟とも呼ばれます。
また、庶民の間には、その年に嫁に行った娘が八朔の日に嫁ぎ先から〝生姜〟や〝赤飯〟持ち帰って里帰りする風習があり、この時、嫁は実家から新しい〝箕(み)/穀物の殻やごみを振るって取り除く農具〟を持ち帰ります。
これも「生姜節句」と呼ばれました。
この生姜と箕のやりとりは「〝しょうがない〟嫁だが、〝み〟なおしてくれ」という事になるそうで、なんとも、ほのぼのとした〝節句〟です。
今回の特集は、中華料理特集「田村亮介 夏の一皿」とシェフの知恵は「寒蟬鳴 おくら編」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹