冬至_令和5年12月22日から令和6年1月5日まで
大黒様のお歳夜
山形の日本海沿岸部に位置する酒田や鶴岡などの庄内地方では、12月9日に「大黒様のお歳夜(としや)」と呼ばれる伝統行事が行われます。
農業神である大黒様に料理(納豆汁などの豆料理が中心)をお供えして、豊作と子孫繁栄を願うものです。
石川・奥能登地方の「饗(あえ)のこと」と同様の行事ですが、「饗のこと」が〈田の神〉に供えるのに対し、お歳夜では〈大黒様〉に供えるという違いがあります。
大黒様の〈大黒天〉は元々マハー(大)カーラ(黒)というインドの神でシヴァ神の化身とされている神であり、日本に伝わった際に「大国主命(おおくにぬしのみこと)」の〈大国様〉と同じ音の「だいこく」であるため、いつしか同一視・習合されるようになりました。
インドの寺院では大黒天を厨房の守護神としていたことが日本にも伝わり、恵比寿とともに台所や竃(かまど)に祀られるようになりました。
これが由来で、僧侶の奥さんを「大黒さん」と呼ぶのだそうです。
今回の特集は、おせち料理特集・山﨑美香料理長の「江戸のおせち 壱」「江戸のおせち 弐」「雑煮三題」とシェフの知恵は「鱖魚群 青梗菜篇」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹