大寒_令和6年1月20日から令和6年2月3日まで
南天 難を転ず
寒空の中、真っ赤な実をつける南天。
雪が浅く積もったりすれば、雪の白と相まってより一層鮮やかに冬の景色を豊かなものにします。
南天は、その「なんてん」という音から『難を転ず』と古来より縁起の良い植物とされて、正月飾りやおせちの飾りに使われたり、赤飯にその葉が添えられたりします。
料理に添えられるのは、縁起の良さや彩りだけではなく、南天に含まれるナンニジンが腐敗を抑える作用を持つという実用性があることがわかっています。
先人の知恵が科学的に解明されるというひとつの事例と言えましょう。
南天は古来より、咳や呼吸困難といった呼吸器系の病気に用いられてきた生薬です。
南天の効能から作られた常磐薬品工業の『南天のど飴』は幼い頃から馴染みの深い飴です。
厳しい日々を過ごしてらっしゃる能登半島輪島地方の方々に「災い転じて福となる」日の近からんことを念じます。
今回の特集は、フランス料理特集「古賀純二のソース」とシェフの知恵は「隷冬華ブロッコリー篇」です。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹