秋分_令和6年9月22日から令和6年10月7日まで
秋の雲
秋の雲の代表は、鰯雲(いわしぐも)、鯖雲(さばぐも)やウロコ雲です。
秋空に浮かぶこれらの雲は巻積雲(けんせきうん)と呼ばれるものです。
巻積雲は、繊維状に白く伸びた雲の端がカールしているのが特徴です。
もともとラテン語学術名をシーラス(Cirrus)と言い、ラテン語でシーラスが〝巻く〟という意味であることから、日本では「巻雲」「巻積雲」と呼ばれるようになりました。
しかし、昭和二十年代半ばすぎに文部省から〝巻〟を「けん」と読むのはおかしいという意見があったため「絹雲」「絹積雲」と〝絹〟の字を当てたということです。
これに最後まで反対したのが、この時に気象庁に勤めていた直木賞作家の新田次郎※だったそうです。
※新田次郎_長野県生まれ(1928-1980)代表作に『武田信玄』や映画『八甲田山』の原作となった『八甲田山死の彷徨』など。
現在では前の「巻雲」「巻積雲」の方が主流のようです。
むかしの人は、空を覆う巻積雲の白い雲片を魚に見立てて、夕餉の献立に思いを巡らしたのでしょう。
『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹