1. ジョンキョンファ人参を使って

  2. アンチョビを効かせて

  3. クレソンを添えて

  4. フレンチで春野菜

  5. 野﨑洋光続 熱燗の肴

  6. 春中華

  7. 白菜使い

  8. 基本の出汁野﨑洋光

  9. 古賀純二のソース

  10. 雑煮 三題

  11. 江戸のおせち壱山﨑美香

  12. 江戸のおせち弐山﨑美香

  1. 蚯蚓出る 切り干し大根編

  2. 霜止出苗 アンチョビ編

  3. 鴻雁北 蕨編

  4. 雀始巣 浅葱編

  5. 土脈潤起 鱵編

  6. 桃始笑 独活編

  7. 東風凍解 小松菜編

  8. 款冬華 カリフラワー編

  9. 芹乃栄 白子編

  10. 閉塞冬成 ローズマリー編

  11. 鱖魚群 青梗菜編

  12. 金盞香 水菜編

  1. 料理人街

  2. 日本料理 Japanese

  3. フランス料理 French

  4. イタリア料理 Italian

  5. 中華料理 Chinese

  6. 韓国料理 Korean

  7. ベトナム料理 Vietnamese

立秋

立秋_令和元年8月8日から8月22日まで

この時候「立秋/りっしゅう」から「暦」の上では秋となります。新暦と旧暦の月次の差から違和感を覚えることもありますが、夏の盛りを迎えれば、それからは季節は緩やかに秋に向かっていくばかり、という日本人独特の感性でとらえれば、「秋が立つ」秋の始まりと云えるでしょう。

冷酒と冷奴

俳諧では、「立夏」から「立秋」の前日までの3ヶ月間、初夏・仲夏・晩夏を「三夏」と云います。
またこの90日間を「九夏」とも呼びます。

「冷奴」「冷酒」は、この三夏・九夏の季語です。

「冷奴」も「冷酒」も、冷やした豆腐や酒ではなく、常温のままのもの、という意味だそうです。
「温」めたものではない、という意味の「冷」ということでしょうか。

夏は、なんといっても冷やした酒「冷し酒」ですね。

酒は、季節によって、春はそのまま「冷酒」、夏は冷やして「冷し酒」、秋は温め(人肌)の「温(ぬく)め酒」、冬は熱めの「燗酒」とその姿を変えます。

またそれぞれに、当ても肴も違います。

豆腐と納豆

「豆腐」も「納豆」も、中国から留学僧が日本の寺に持ち帰り、やがて一般に広まったものです。
寺院に伝えられた名残りを、豆腐で「高野豆腐、南禅寺豆腐、空也豆腐」、納豆で「大徳寺納豆、寺納豆、唐納豆」などの呼称に見ることができます。

以前から「豆腐」「納豆」の呼称に疑問を持っていました。〝豆が腐ったもの〟が「なっとう」で、〝豆が形に納められたもの〟が「とうふ」ではないかという疑問です。

「納豆」の呼称の由来に関しては、寺院の出納業務を行なう「納所」という場所で、豆を貯蔵し作られていたという事からというのがわかりましたが、「豆腐」についてはまだ納得のいく説に巡り合っておりません。

今宵も、うんと冷した「冷し酒」に「野﨑料理長のくずし奴」を当てに、「豆腐」の秘密へ思いを巡らせ一献、そしてまた一献。

甘露、甘露で宿酔い。

『シェフパートナーズ 料理塾』編輯子 秋山 徹